2016年6月5日 放送内容DASH海岸 ~多摩川~

前回、春の多摩川に上るDASH海岸育ちのアユを追跡したTOKIO。
そこで発見したアユ達は、サイズが小さく、
成長しきっていないものが多かった。
それから一か月が経ち、アユ達は無事に成長できているのか?
気になったTOKIOは、東京都の職員である安斎さんと共に、
多摩川河口から46kmの八王子市へ。
安斎さん「アユはいるかな?」
城島と安斎さんが調べるのは、
東京都と周辺の漁協の皆さんが作った手作りの魚道。
段差を上れない小さなアユでも緩やかな傾斜を伝って上流を目指せる構造。
その魚道を上った所にある、アユが休めるプールを見てみると、
順調に育った6㎝サイズに混じって、3~4㎝サイズのアユが。
プールで一休みしたアユは、助走をつけて一気にスロープを上っていく。
城島「行きましたね!良かった」
そんなアユが目指すゴールは、多摩川上流の秋川渓谷付近。
澄んだキレイな水には、アユの大好物の赤いコケがびっしり。
すると、城島が見つけたのは、カジカガエル。
安斎さん「東京都の絶滅危惧種です」
特徴的なのはその鳴き声。まるで鳥のように美しく鳴く事から、
平安を代表する歌人である紀貫之が古今和歌集に記し、
江戸時代になると、家で鳴き声を楽しむのがブームになった。
安斎さん「いい声で鳴くから、“清流のテノール歌手"」
安斎さん「よく生き残った」
城島「絶滅危惧種に指定された頃より、数が増えたってことですよね」
かつて生活排水で汚れていた多摩川が、キレイになった証。
さらに、上流の小さな沢では、幻とまで言われた絶滅危惧種が、
繁殖しているらしい。
その場所に行ってみると…
達也「湧き水。ろ過されてめっちゃキレイ」
そこには、雨水が森でろ過されて、湧き出る水が。
汚れが溜まっているようにも見えるが、落ち葉からできた腐葉土が混じった、
栄養たっぷりの川底。
これこそが、お目当ての絶滅危惧種が大好きな環境だという。
湧き水に棲む生き物を増やす事に人生を捧げる、
西多摩自然フォーラムの杉村さんと一緒に、お目当ての生き物を探す。
落ち葉の下には、昔話のサルカニ合戦に登場するカニのモデルのサワガニが。
キレイな水にしか棲めない。でも、
達也「お目当てではない」
倒木の下も探ってみると…
達也「ヤゴだ!」
杉村さん「オニヤンマのヤゴです」
このヤゴも、お目当てではないが、東京都の準絶滅危惧種。
羽化すれば日本最大のトンボになるオニヤンマ。
続けて見つけたのもヤゴだが、
杉村さん「ミルンヤンマのヤゴ」
体長10㎝になるオニヤンマに比べ、体長7㎝と体は小さいが、
山間の源流付近などにしかいないため、トンボマニアの間でも大人気。
しかし…
達也「これもお目当てではない?」
杉村さん「お目当ての生き物は、名前の最初に“トウキョウ"とつきます」
さらに上流へ向かい、その生き物が好む深い水溜まりを探ってみると、
城島「これなんですか?」
見つけたのは、カエルの卵に似ているが、それに比べると少し短い。
近くを調べると、もう一つ卵を発見。
これこそが、幻の生き物の卵だという。
杉村さん「このつぶつぶクロワッサンみたいな卵をメスが2つ産むんです」
中の黒いつぶつぶがまん丸になっている事から、産んで間もない事が判明。
つまり、この近くに親がいる可能性が高い。
注意深く探してみると…
達也「これが幻の絶滅危惧種?」
杉村さん「これが、トウキョウサンショウウオです」
1931年に東京都あきる野市で発見されたことがその名の由来。
キレイな湧き水にしか棲めないため、“湧き水の象徴"とも呼ばれている。
しかし、見つけたのはオス。
先ほどの卵を産んだメスは、山へ帰った後で、
このオスは、次のメスをここで待っている様子。
トウキョウサンショウウオは普段、森の落ち葉の下や倒木の下などで暮らし、
恋の季節を迎えた冬から春の間だけ湧き水に降りてきて産卵する。
クロワッサン状の卵のうに含まれる栄養で60個程のつぶつぶが育ち、
エラがついた赤ちゃんは、魚のように水中で過ごし、
肺で呼吸ができるようになったら陸上生活を送る。
トウキョウサンショウウオは、このように豊かな森と、
それに繋がるキレイな湧き水が無ければ生きていけない為、
東京都の絶滅危惧種の最高ランク【絶滅危惧種Ⅰ類】に位置づけられている。
城島「この湧き水が川の流れになって、アユにとっても棲みやすい水質に」
達也「生き物の原点だからな、水は」
少しずつキレイになっていく多摩川。
まだまだ戻ってきてもらいたい生き物達が!!
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