2016年6月19日 放送内容DASH村 ~新男米~

福島県福島市。雪解けも進んだ4月初旬。
この日は、DASH村の仲間たちと2つの米の食べ比べ。
一つ目の米は、昨年秋に収穫したTOKIOオリジナルの米『新男米』。
達也「一粒一粒しっかりしてる」
食べ比べるもう一つの米は、米の国際コンクールで、殿堂入りを果たし、
去年、TOKIOにアドバイスをくれた、山形県の米の匠、
遠藤さんが丹精込めて作った『五右衛門』。
TOKIOがつくった新男米と比べると、
城島「余韻がある」
達也「これが86点の味か」
米の美味しさを科学的に数値化する機械『マルチ味度メーター』は、
炊いた米の表面を計測して、旨さを100点満点で表現。
美味いと言われる多くの米が80点台前半の中、遠藤さんの米は86.1点。
一方、新男米は、84点。違いはたった2点だが…
達也「食べると違い出てるもんな」
その違いを探るべく、達也が訪ねたのは、奈良県大和郡山市のお米屋さん、
日本中の米好きが買いに訪れる米穀店・イリグチ。
店主の入口寿子さんは、米の美味しさを判定する米食味鑑定士。
都内有名デパートでは、入口さんが鑑定し、
美味しいとお墨付きをもらった米は、
一般的には、5kg3000円ほどが、
鑑定米として倍以上の8100円にも!!
その日本を代表する米のスペシャリストに、新男米を鑑定していただく!
入口さん「思ったより美味しいです。旨味はあるんですけど、
その旨味がスッと抜けてしまう。
時間が経った時に、旨味が口に残っていない」
つまり、物足りない味、ということ。
何が足りないのか?
その頃、城島もまた、新男米を味覚のスペシャリストに。
その相手は、人間ではなく、味覚センサー『TS-5000Z』。
味の成分を舌の代わりにセンサーで感じ取り、電気信号として数値化できる。
その数値を見てみると、
城島「新男米の旨味成分がすごい!」
しかし、米の匠・遠藤さんがつくった『五右衛門』と比べてみると、
城島「『五右衛門』は苦味がすごい」
解析チームの部長の荒谷さんによると、
荒谷さん「苦味や渋味などの雑味系の味は、米の味を引き出す」
つまり、雑味が隠し味。
TOKIOが作った新男米は、旨味を追求した結果、苦味などの大事な雑味を
置き去りにしてしまっていた。
城島「人間と同じ。色々な経験をして、苦味を知った」
新男米に足りない雑味。それを補う方法は…
城島「品種改良」
荒谷さん「品種改良で補うことはいい考え」
9年前、初代男米に、別の品種『フクミライ』の
花粉をつけて行った品種改良。
新しく生まれた新男米は、虫や気候などによる
病気に強くなり、美味しくなった。
新男米に掛け合わせる米は何が良いのか?ヒントとなったのは入口さんの言葉。
入口さん「いつまでも記憶に残っている米」
旨味がいつまでも舌に残る米。
城島「DASH村で毎回食べてたカレーライスの米。あの米美味しかったな」
それは、農業を教えてくれた三瓶明雄さんが自らの手で作って、
差し入れてくれた米。
その米の味こそ、TOKIOにとっては忘れられない味。
明雄さんは自分の田んぼでどんな米を育てていたのか?
その手掛かりを求めて訪ねたのは、
DASH村で養蜂を指導してくれた専次郎さん。
米は品種によって、寒さや病気に対する強さが違うため、
明雄さんは、いくつもの米を同時に作っていたという。
専次郎さん「あきたこまち、ササニシキ、チヨニシキ」
この3種類の米の中に、TOKIOが食べた忘れられない味があるのか?
まずは、あきたこまちを食べてみる。
達也「甘みが後から来たね。香りがいい。」
あきたこまちは、粘りのある食感とコシヒカリ譲りの味の良さを誇り、
寒さにも強いため、東北各県に広まった。しかし、
城島「明雄さんの米の味じゃない」
続いての米は、ササニシキ。
達也「匂いが違う!米らしい匂い」
かつては、コシヒカリに並ぶ人気品種だったが、寒さに弱く、
93年の冷害で全国的に大打撃を受け、生産量が減少し、今や入手困難。
達也「(カレーじゃなくて)寿司に合うね」
しかし、ササニシキも違う。
続いては、福島県が生産量全国1位の品種、チヨニシキ。
寒さや病気にとても強く、DASH村のような山合いで栽培されている。
達也「一粒ずつ粒を感じる。噛んでモッチリする。これじゃない?」
漬け物名人、三瓶孝子さんの漬け物と一緒に食べると。
城島「これや!新男米というお婿さんに、
チヨニシキというお嫁さんを結婚させる」
新男米と組み合わせる米は、このチヨニシキに決定!
味覚センサーで調べてみると、
苦味・渋味という2つの雑味が高いことが判明。
つまり、交配して品種改良するには、最高な相手。
早速、達也が向かったのは、福島県田村市。
チヨニシキの種もみを未だ引き継いでいるのは、福島県ではこの田村市だけ。
お世話になる佐藤文治さんは、東京ドーム2個分の田んぼで、
チヨニシキとひとめぼれの2種類の米を栽培。
佐藤さんが作ったチヨニシキを見せていただくと、
達也「形が細長いんだけど、結構重い。新男米はもっと丸っこい」
交配に必要な量、約1升分を分けていただいた。
吾妻山の雪解け水に、夫婦となる2種類の種もみをさらし、
10日間、水分をたっぷり吸収させると…
達也「新男米から2mmくらい芽が出た」
一方のお嫁さんのチヨニシキも、よい感じに芽が出ていた。
選んだ種もみを、一粒ずつ、土を入れた容器に蒔く。
こうすることで、栄養を奪い合うことなく、より強い苗に成長する。
達也「いいお米といいお米が出会った。期待しましょう!」
城島「楽しみ!」
そして一ヶ月。田んぼに水を入れたのは、5月下旬。
9年目の新男米の苗は…
達也「青々としてる!いい感じ!」
城島「すごい!根がしっかりしてる!」
一方、この新男米に交配させるチヨニシキの苗は、
城島「なんとなく、密集度が少ない?」
葉が生い茂り、茎も太い新男米に対し、
チヨニシキは、全体的に細身で、どこか弱々しい。
新男米の葉は、弾力があり、すぐに跳ね返ってくるのに対して、
チヨニシキの方は、張りがなく、やわらかい。しかし、
城島「見た目が女性っぽいのに、根が新男米よりしっかりしてる」
新男米以上の根張りの良さ。
その訳は…
達也「長さというより、密集度がすごい」
細い根(ひげ根)が多いほど、生長具合が良く、その違いは他にも。
城島「チヨニシキの根の匂いが、根菜の香りに近い」
そして、田植え。
チヨニシキは、花が咲きそうになったらすぐわかる、手前角の特等席へ。
毎年、お手伝いいただいているDASH村の仲間達も集まり、
16年目となる今年も、一緒に田植え。
苗を植える際の目印を付ける『ガチ棒』は、
通常よりも広い30cm間隔に。
これで、一株により多くの養分が行き渡る。
これも明雄さんが教えてくれたこと。
準備が整ったところで…
達也「16度目の田植え!」
城島「品種改良の最初の年!」
まずは、交配させる相手、チヨニシキから。
城島「新男米とは違って、植えた時の感覚がどっしりしてる」
達也「根張りがいい。チヨニシキ、どんな感じになるんだろうか?」
今回行う交配は、花が咲くタイミングで、
おしべを取った新男米のめしべに、
チヨニシキの花粉をつける花粉交配というやり方。
こうして2つの性格を受け継いだ新たな米ができあがる。
田んぼに植えたチヨニシキは、合計196本。
順調に育てば、8月上旬ごろには花が咲く。
そして、続いては、新男米の田植え。
達也「いつも通り。やっぱり体が覚えてる」
チヨニシキ196本に対して、植えた新男米は約6000本。
夏には、この中から優秀な株だけを選抜し、チヨニシキと交配させる。
城島「立派に育った新男米だけが、チヨニシキというお嫁さんをもらえる」
そして、最後の一本を植え終わり。
しかし、米づくりは、ここからが本当のスタート。
達也「うまくいくといいね」
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