2017年5月14日 放送内容DASH海岸 ~深海~

9度目の春を迎えた、横浜DASH海岸。
春、水温が上がると、海中の植物プランクトンが増え、それを狙って、
小魚が集まり、さらに大型の肉食魚も集まってくる。
そんな魚達を調査すべく、DASH海岸の干潟に仕掛けたのは、
江戸前の春の風物詩・四手網。
網を張って2時間。潮が満ちてきた頃を見計らって網をすぼめていくと、
達也「クラゲだ!」
それは、暖かくなると、東京湾で最初に現れるアカクラゲ。
触手には、強力な毒が。
その毒を利用して、ボラなどの小魚を捕まえて捕食する。
さらに網をすぼめていくと
木村さん「東京湾といえばスズキ」
江戸時代から愛される、東京湾を代表する魚。水揚げ量も東京湾が日本一!
築地で買えば一匹1万円の値がつく高級魚。しかも、
木村さん「この時期は、スズキもバカ食いしてるからうまい」
春は、スズキが一年で一番餌に貪欲になる季節。
続けて、網にかかっていたのは、海の専門家の木村さんも驚くウナギの赤ちゃん。
かつては、江戸前の代表格だったが今は絶滅危惧種。
しかも、今回見つかったウナギは「シラスウナギ」と呼ばれ、
赤ちゃんから育てる養殖業の方々からは、別名「白いダイヤ」とも。
達也「春の干潟は生物が集まるんですね」
だが、東京湾で春に生き物があふれるのは干潟だけでなく、
木村さん「深海も春は色々な魚が多い時期。」
大都会に面した東京湾には、深さ200m以上の深海「東京海底谷」がある。
今までTOKIOが調査を行ったのは、冬。
そこにいたのは、世界最大のカニ・タカアシガニや、古代ザメのギンザメ、
悪魔のサメと呼ばれるゴブリンシャークなど、独自の進化を遂げた生き物たちが。
そんな深海も、春は生き物があふれる季節だという。
達也「調査したいですね!春の深海」
そこで、横浜から20㎞離れた千葉県富津市へ!
今回の調査でもお世話になるのは、東京湾唯一の深海漁師の手嶌さん。
水深380mのポイントに到着し、
生き物を誘い出すイカを取り付けた、深海カメラを
はるか深海へ沈め調査。
海底にカメラが到着し、1時間待って、引き上げてみると…
達也「イカが食われてる!」
過去の調査でもイカは食われていたが、それはイカの耳の部分だけで、
その犯人はタカアシガニやアカザエビなどの大型甲殻類だった。
しかし、今回はイカがボロボロになるほど。
木村さん「食べられ方がこれまでとは違う」
イカを食べた正体は、カメラに映っているのか?早速、録画した映像を確かめる。
水深380mの暗闇の深海で最初に映ったのは、
木村さん「ヤムシ。こう見えても動物プランクトン」
別名は「プランクトン界の猛獣」。
自分の体と同じ位の大きさの小魚まで食べてしまう。
続けて、映像に映っていたのは、シロムツ。
3年前、どじょうで釣り上げた高級魚。
深い旨みがたっぷりで刺身でも火を通しても絶品。
さらに、アズマハナダイの姿も。
いずれも、本来は、もっと水深が浅い所にいる魚だが、
春になり、産卵期を迎えた動物プランクトンを狙ってやって来たと思われる。
さらに、そんな魚たちを狙ってやって来たのが、肉食のアミウツボ。
だが、そんな凶暴なウツボをも食べちゃうやつがカメラの前に!
木村さん「フトツノザメですね。深海の王者って言われてる」
最大1.5mまで成長する深海の王者。
だが、美味しいイカが目の前にあるのに、素通りしてしまった。
フトツノザメと入れ替わりにやって来たのは、フジクジラの仲間。
名前にクジラとあるが、れっきとしたサメで、
藤色の体から、フジクラザメと呼ばれていたのが変化したという説がある。
カメラにつけたイカを食べたのは、このフジクジラと判明。
東京湾ではかなり珍しいサメで、その性格は非常に攻撃的。
深海の王者のフトツノザメが警戒していたのもこのフジクジラのせいと思われる。
城島「春の深海は、生態系のピラミッドも変わった」
続けては、手嶌さんが3日前に仕掛けていた深海刺し網漁でも調査。
まず、かかっていたのは、ナンヨウキンメ。
よく見る金目鯛の仲間で、その違いは、体の高さと、厚み。
続けてかかっていたのは、空前の深海ブームの火付け役となったオオグソクムシ。
達也「初めて見た!」
暗闇の深海で泳ぎ回り、ヘドロになってしまう生物の死骸を、
綺麗に食べてくれるので、「海の掃除屋さん」と呼ばれる。
さらに網にかかっていたのは、そんなオオグソクムシを襲うヘラツノザメ。
城島「すごいフォルム」
そのグロテスクな見た目からキロ150円。
だが、味は絶品。刺身はしっとりと、火を通せばふわふわの食感。
しかし、背びれなどに毒針があり、刺されると呼吸障害などを引き起こすため、
扱いには注意が必要。
そして、続いてかかった生き物に男たちが大絶叫!
その正体は、幻の古代ザメ、ラブカ!
木村さん「魚類の中で一番古いと言われている」
その存在は、恐竜やシーラカンスよりも古く、およそ4億年前から姿を変えていない。
その見た目から、あの大ヒット映画、「シン・ゴジラ」のモデルにもなった。
ラブカの特徴は、縦に並ぶ独特な歯並び。
一度にたくさんの歯で噛みつけるだけでなく、
三又の歯は、餌が暴れる程深く食い込む。その歯で噛み付く大好物は甲殻類。
世界最大のカニ・タカアシガニにも襲い掛かる。
そんな貴重なラブカを深海へ帰すと、しばらく水面下を漂った後、
ゆっくりと海底へと戻っていった。
達也「もう見れないと思う、今後の人生で」
それにしても、改めて思うことは、
城島「今年、サメすごく多くないですか?」
今年は、餌となる魚が多いため、サメも多い。
だが、そんなサメから生き残る為の進化を遂げた生物も。それが、
達也「来ましたね、久しぶりに」
前回の深海調査でも網にかかったイガグリガニ。
カニと名がつくが、実際にはヤドカリの仲間で、全身がトゲだらけ。
木村さん「こうやって身を守る生物は多い」
外敵から身を守る進化を遂げた生物は他にも。
手嶌さん「これは珍しいよ!10年に1匹!」
木村さん「オオエンコウガニっていうんですよ。出会えると思わなかった」
名前の由来は、甲羅が猿の顔(エンコウ)に似ていることから。
本来、東京海底谷より深い場所に生息し、めったにかかる事のない奇跡のカニ。
その体の色から、英語で"ジャパニーズゴールデンクラブ"。
動きが非常に遅く、サメの格好の標的だが、
木村さん「このカニは、殻を硬くして身を守っている」
硬さを計測する硬度計で測ってみると、ズワイガニの甲羅が硬度30に対し、
オオエンコウガニは、硬度76と、TOKIO愛用のヘルメット並みの硬さ!
達也「この硬さは、たくさん歯があるサメでも襲わないね」
その硬い甲羅の中身は絶品。
達也「せっかく獲れたから、味わってみたいよね」
そこでオオエンコウガニを手にやって来たのは、
獲れたてのオリジナル深海料理を名物の千葉県富津市のかぢや旅館。
今回も調理していただくのは、料理長の黒川さん。
まずは、オオエンコウガニの硬い甲羅や殻を外してお刺身に。
5分間、氷水に漬けることで、身が締まり旨みも凝縮される。
味が落ちてしまうのが早いため、早速、藻塩をつけて頂く!
達也「うまい!カニの味が濃い!」
そしてもう一品は、余った脚の殻を片面だけ削ぎ落とし、3分炙って、
『焼きエンコウガニ』に。
達也「美味しい!身に香りがする!香ばしい!」
さらに、旨みが詰まった爪の部分も、
城島「旨みが凝縮されてる!すんごくジューシー!」
そして、最後の一品は、七輪で焼いた甲羅と一緒に炊いた、
カニの旨みたっぷりのご飯を使ってカニチャーハン!
ネギと塩こしょう、カニの肩肉を贅沢に加え、
その上にかけるのは、昆布と焼いた甲羅でとった出汁に、
片栗粉でとろみをつけたあん。
熱々の鉄板の上に盛り付ければ、『あんかけカニチャーハン』の完成!
達也「これ美味い!カニの風味がたまらん!」
春の東京湾の深海の美味さを堪能。
城島「違う時期で深海(の生き物)を調べたいですよね。」
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