2017年8月6日 放送内容DASH ご当地PR課 ~石川県金沢市 巨大氷レンズで名物・能登牛焼けるか!?~

今回のPRスポットは、石川県金沢市。
戦国武将・前田利家を始めとする、前田家14代が築いた、
加賀100万石の美しい城下町。そして、日本三大庭園の一つの兼六園、
国産の99%の生産量を誇る金箔、加賀友禅など、
江戸時代から続く伝統が様々。
しかし、そんな金沢には、江戸時代から続く歴史があるのに
ガイドブックにも載っていない、地味な名物がある。それが“氷"。
金沢は、兼六園を始め、市内にいくつも氷室があった日本有数の氷の産地で、
江戸時代には、冬の間に積もった雪を「氷室」という貯蔵庫で夏まで保管し、
毎年7月始めの「氷室の節句」には、江戸まで4日間かけて運び、
幕府に献上していた。
そんな伝統を受け継ぐ、金沢一の老舗の氷工場、クラモト氷業へ。
達也「氷、めちゃくちゃキレイ」
蔵本社長「純氷っていう氷。時間かけて透明に作っている」
というのも、家庭用冷凍庫は-20℃で約3時間、急激に凍らせるため、
空気が混じり白っぽくなるのだが、
純氷は、-10℃の温度で、2日間かけてゆっくり凍らせることで、
空気などの不純物が少ない、透明な氷になるという。
さらに!意外なことに氷の元となる水は、金沢市の水道水。
蔵本社長「攪拌させながら凍らせるとカルキが氷になりにくい」
ブクブクと空気を送り、撹拌しながら凍らせることで、
純度の高い水から氷になり、カルキなどの雑味が濃縮した水が残っていく。
この水を汲み出し、新たな水に入れ替えることで、
水道水でも無味無臭で透明な氷となる。
純氷は密度が高いため溶けづらいのも特長の一つ。
大正12年創業のクラモト氷業は、そんな純氷を1日平均10t以上製造し、
石川県内の飲食店へ出荷。
老舗料亭をはじめ、高級BARで利用され、
夏は市内50軒以上の飲食店でかき氷に。その味を確かめさせていただくと、
松岡「無味無臭ってこのことですね」
蔵本社長「氷は味がしないのが一番。氷はあくまで脇役」
最近では、味だけなく、涼しげで見た目もオシャレなかき氷は、
インスタなどSNSでも大人気だが、その氷がどうやって作っているかなんて、
誰も気にしていない…。
ならば知って欲しい!金沢の純氷のすばらしさ!どうやってPRするか?
達也「この透明感を生かしたい。レンズ的なものかな?」
と、達也が思いついたのは…
3年前、大阪府大阪市の隠れた名物、鏡をPRするため、
太陽の光を鏡で集めて反射させ、焼肉を作った方法。
今回は、虫がねのレンズで太陽の光を集める要領で、
透明な金沢産の氷をレンズ型に削り、太陽の光を集め、肉を焼く!
その肉は、地元石川が誇るブランド牛「能登牛」!
松岡「能登牛を金沢の氷で焼く。冷やすもので焼くんでしょ?」
達也「それ、面白くない?」
肉を焼くためには、火力が必要!そのためにはレンズもなるべく巨大に!。
クラモト氷業で作られる最大サイズの氷は1m。ということで、
通常の虫メガネの10倍の直径1m。面積なら100倍を目指すことに!
透明な氷とはいえ、中央に薄く白っぽい部分があるので、
透明な部分を切り出し、キレイに重ね合わせ、そして再び凍らせて、
1辺1mのブロックを作ることに。
その加工に名乗りを上げてくれたのが、
金沢を代表する氷彫刻家の加藤明さん。
全国から名人が集まる大会で7連覇した経験を持つ。
氷彫刻歴30年。数百以上の作品、全て金沢の氷で仕上げてきた。
加藤さんの指示のもと、まずはチェーンソーと氷用ノコギリを使い、
透明なブロックを8個作り上げた。
しかし、そのカットした表面には、細かな凸凹が。
このままくっつけると、キレイな透明なレンズにはならない。
そこで凸凹の面を下にして、常温の鉄板の上に氷のブロックを置く。
すると、置いた瞬間から氷が解け始めた。
蔵本さん「鉄は熱伝導率が高い。鉄板に載せると常温でもすぐ溶ける」
熱伝導率とは、熱の伝わりやすさのこと。
鉄は木材などの約500倍、熱が伝わりやすいため、例えば常温25℃でも、
鉄の上に氷を置くと、その25℃がすぐに氷に伝わるので、
凸凹が溶けて、表面をツルツルにすることができる。
氷をキレイにするための、氷店ならではの知恵。
ツルツルになった氷を8個重ねて、完全に固定するために冷凍庫へ。
そして、出来上がった巨大氷を削ってレンズ型にするのだが、
その形によって、光の集まり具合に違いが出ると、駆けつけてくれたのが、
石川県工業試験場主任研究員の舟田義則さん。
パソコンなどの基盤を作るレーザー光線を研究する光の専門家。
その舟田さんが薦めるレンズの形が、
舟田さん「非球面レンズ」
非球面レンズは、カメラや携帯のレンズなどに利用され、
球面レンズは、普通の眼鏡に。
素人では、形の違いは分からないが、レンズにライトを当てると、
松岡「非球面レンズの方が、より一点に集中する」
つまり、その分、温度も高くなるということ。
レンズの形も決まり、早速、チェーンソーで円形にカット。
粗方形が整ったら、氷彫刻用のノミで成型する。
非球面レンズの微妙な曲線を正確に再現するため、
舟田さんが用意してくれた、直径1mサイズの非球面レンズのガイドを元に、
その曲線に沿って、氷を削っていく。
仕上げは、研磨ブラシを取り付けたグラインダーで。
ノミの細かな凸凹もなくなるように丁寧に表面を磨いていく。
TOKIO「キレイ!もうガラスみたい」
そして、通常の虫メガネの面積100倍、重さ150㎏の巨大氷レンズが完成!
でも氷なのでガラスのように完全な透明ではない。
果たして、光をうまく集められるのか?
松岡「じゃあ、この氷のレンズで能登牛を焼く!」
その方法は、氷のレンズを虫メガネのようにフレームにはめ、
太陽に向かって角度を調整。光を一点に集めて、能登牛を焼く。
舞台は、金沢城の隣、金沢城公園。
挑戦に必要な土台を用意してくれたのは、
ソーラーパネルの装置など、オーダーメイドマシンを数々手がけてきた
金沢のものづくりを支える、老舗鉄工所「ダイセー」。
氷が溶けないように鉄製の枠組みの氷が触れる部分には木を貼り付けた。
加えて太陽の向きに合わせて、角度調整も自由自在。
さらに、今回焼く能登牛は、市民の台所・近江町市場に店を構える、
老舗精肉店「天狗中田武蔵店」。社長自ら選んだ、A5ランクの能登牛。
中でも、一番おすすめだと言う、旨味が凝縮したサーロイン。
これで、全て金沢のチカラでPRのための材料が揃った。しかし…
達也「現場に来たら曇ったね」
この日は7月上旬。まだ梅雨明け前。
夏本番を迎えた頃にOAすれば、涼しさと食欲もそそると思い、
晴れ間を狙って決めた挑戦だったのに…。予報は急変。
金沢市はこれから下り坂。
その後、雲は次第にぶ厚くなり、この日のロケは中止…。
しかし、まだあきらめる訳にはいかない。
金沢産の透明な氷、そのすばらしさを伝えるため、
早速スケジュールを再調整。週間天気予報を見るが、"雲り"ばかり。
調べて分かったのだが、石川県は年間平均の日照時間が全国41位。
つまり、なかなか晴れない町でもあったということ。
その金沢が晴れたのはロケ中止の5日後。突然、訪れた。
急遽、金沢のものづくりを支える男たちが、再び集結。
しかしこの日、TOKIOはあいにく5人揃っての撮影。
金沢には来ることが出来ず…。
そんな中、なんとか調整できたのが、城島人形だった。
今回は、カメラを取り付け、このチャレンジの様子を、
遠く離れた神奈川県の撮影スタジオにいるTOKIOへ届けるのが、彼の使命。
さらに炎天下での作業、暑さにも強い晴れ男・AD足立も無人島から招集。
気温34℃の中、金沢市民総勢15名で、準備は着々と進んでいく。
冷凍車の中で氷をフレームにはめ、
重さ150キロの氷のレンズをクレーンで吊って、土台の上に載せる。
すると!
(撮影スタジオでモニタリング中)達也「溶けてる!」
冷凍車から出してたった5分で、氷のレンズから水がボタボタと。
溶けにくい純氷とはいえ氷は氷。ここからはスピード勝負!
太陽の角度に合わせてレンズを調整。
TOKIO「おー(光が集まってる)すげえ!」
太陽の光が集まる焦点に、手をかざすと…
AD足立「あっつい!」

さらに!その焦点に黒い紙をかざしてみると、
スタッフ「燃えてる!焦げ臭い!」
黒い紙が燃える、ということは、少なくとも推定温度は300℃以上!
蔵本社長「ちょっと感動するな」
ならば溶けないうちに!
金沢の技術を結集したこのシステムで、名物・能登牛を美味しく焼いて、
金沢産の透明な純氷をPR!
いざ、調理開始!と、
TOKIO「えー!プクプク言うんだ!」
集めた光を能登牛に当ててしばらくすると、肉の表面が焼け始めた!
しかし焼けているのは、まだ直径3㎝程度。
そこで、まんべんなく焼けるよう、肉を少しずつずらしながら、
全体を焼こうとしていると、心なしか、集めた光がぼやけだした。
原因は、氷の濁り。
氷は太陽の光を受けると、まず熱が伝わりやすい表面から溶け始めるが、
光を通し続けることで、内部にも熱が伝わり、中からも溶けていく。
すると、その部分が小さな空洞になってしまう。
そのせいで、氷は濁り白っぽくなり、太陽の光を通す量も減ってしまった。
結果、能登牛は、ほぼ生のまま…。でも、わかったことが…
巨大氷のレンズが太陽の光を受け、耐えられるのは15分程。
肉を焼くのは難しいが、もう一つの金沢の名物なら…、
それは、地元日本海で獲れる・高級魚のどぐろ。
皮目をさっと炙ることで、脂の旨味を引き立てる!
この炙りなら氷のレンズの持ち時間15分でも、いけるはず!
そのためのレンズを、もう一度。クラモト氷業の従業員総出で。
仕上げは、金沢の氷と共に30年以上生きてきた、
蔵本社長と加藤さんの2人で。
のどぐろは、地元金沢のPRになるならと、
創業300年の老舗「ヤマカ水産」がとれたての地物を用意。
そして、いざリベンジ!
勝負の…、15分クッキング!!
太陽のチカラで、金沢の氷のチカラで、名物のどぐろを炙る!
すると
蔵本社長「おー、のどぐろの良い脂が出てきとる」
AD足立「ええニオイしてきた!」
スタートから5分で、皮が焼け始め、香ばしいニオイも!
だが目指すイメージは、バーナーで炙った時のような、皮目の反り返り。
そこで、レンズのプロ・舟田さんの指示で、最も光の集まる焦点に微調整。
TOKIO「おーすげえ!脂でてる!肉より魚の方が何かいいな」
残り8分。氷の限界まで、一気に!
のどぐろを動かしながら、太陽光をまんべんなく全体に。
そして完成!金沢新名物・のどぐろの氷炙り!
TOKIOがいないので、焼いたのどぐろは、金沢の職人とスタッフで!
味付けは、地元のおすすめ、すだちをぶっかけて、さっぱりと。
AD足立「うめえ!!」
松岡「現場にいたかったなー!」
こうして食べている間、1時間経っても、金沢産の氷のレンズ、
形自体は崩れていない。これも溶けにくい純氷のすばらしさ!
かき氷を始め、金沢の純氷、様々。旅行に訪れた時は、皆様も是非!
金沢市の皆さま、お疲れさまでした。
↑ページTOPへ