2017年10月22日 放送内容新宿DASH ~大都会に人と生き物たちが一緒に暮らせる未来の街をつくれるか!?~

大都会・新宿のビル屋上・TOKIOのベース基地。
9月になり、その畑で見つけたのは、猫じゃらしと呼ばれる、エノコログサの種。
この畑の土は元々、新宿区荒木町にある、
江戸時代に大名屋敷だった池の底から、すくった泥。
つまり、周りから流れ込んだタネが、冷たい泥の中で眠り続け、
光を浴びる事で、150年以上ぶりに目覚めた可能性が。
TOKIOが植えた、ほうれん草やカブ以外に江戸時代の種から
生えてきたと思われる、いくつかの植物が!
それが秋を迎え、種を落したが、土の上では種が乾燥してしまい、
発芽しないのだが。
太一「アリがいた!屋上にアリが巣を作った?」
アリの巣には1匹の女王アリと、無数のメスの働きアリが住んでおり、
1年に一度羽を持った新女王アリとオスが産まれ、空中で結婚。
新天地に降り立った新女王アリは、羽を落とし、たった一人で巣をつくり、
群れを増やす。
顕微鏡カメラで巣を観察すると、働きアリが種を運んでいた。
太一「食べるの?」
川上さん「そうですよ」
太一「すごいアリが種を運んで、植物が芽生える可能性があるってこと?」
アリは、土を耕すミミズと並んで、地球上の植物を支えている存在。
その種類は1万種以上と言われ、「地球はアリの惑星」と言われるように、
地球上の70億人の総体重とほぼ同じ4.2億トン、その数、1京匹ものアリが
生息しているという。
エノコログサのように、江戸時代の池の種から芽生えた植物の中には、
たった一つ謎の植物が…。それは、突然生えてきた。
ツルを伸ばして成長する性質などからウリ科と推測されるが…。
だが、花が咲き、根元の部分が膨らむと…
太一「なんだこれ!?見たことない」
キュウリのようなトゲもなければ、スイカのような丸みもない。
農業歴16年、これまでに11種類のウリ科を育てたTOKIOにもわからない。
太一「まさか江戸時代の野菜!?」
城島「今の世にない野菜だったらスゴイ」
そう日本には、その地域だけに受け継がれる伝統野菜がある。
大都会新宿もかつては、畑が広がり、今では姿を消したウリ科の江戸野菜が。
この謎のウリがその実だとすれば、150年以上ぶりに復活したということ!
そして、一週間経つと、その実の表面にはキレイな縞模様が。
達也「なんだろう、これ」
実を摘果し、中身を確認してみると…
城島「メロン!?」
見た目はメロンにそっくり。そして、味の方は…
達也「メロンじゃん。実際のメロンと比べるとあっさりしてるけど甘い」
しかし、城島「こういう縦縞模様のメロンがあるのかな?」
全国の伝統野菜を集めた専門書で調べてみると…
達也「これっぽくない?」
縦縞模様の感じ、太さ、中身、そのどれもがそっくり。
そのウリの名前は「マクワウリ」。作っているのは、
達也「真桑村」
現在の岐阜県本巣市旧真桑村で盛んに作られていた名産品。
砂糖があまりなかった時代の貴重なデザートで、織田信長、豊臣秀吉、
徳川家康も愛したと言われる程。
しかし、岐阜のマクワウリの種が、なぜ新宿に?
城島「あそこの池がある大名屋敷の持ち主は美濃高須藩。美濃は昔の岐阜県。
参勤交代で江戸に来ると、当分は江戸の屋敷に住むことになりますよね」
徳川幕府が、地方大名の裏切りを防ぐために作った政策、参勤交代。
全国各地の大名に、江戸にも屋敷を作らせ、1年毎に地元と江戸の往復を義務化。
城島「当時の岐阜の大名が、あの池のある屋敷に持ち込んだってことやな」
当時の大名は、地元から野菜を持ってきて、江戸で栽培。
つまり、TOKIOの畑のマクワウリは、大名屋敷の主である松平摂津守が、
参勤交代の際に故郷・岐阜から持ち込み、その種が、
池に流れ込み眠り続けていたところを、泥ごとすくった事で、
再び太陽の光を浴び、150年以上ぶりに目覚めた可能性が!
達也「これはスゴイことだよ」
しかし、まだ専門書の写真と照らし合わせただけで、
マクワウリと断言はできない。
そこで、マクワウリの産地、岐阜県旧真桑村地区へ!
DASH島の反射炉作業にかかりきりのTOKIOに代わって向かったのは、
ADの山口太一。
福島DASH村で、TOKIOと共に農業を学び、農業歴は8年。
AD山口「あ、マクワウリって書いてあります!」
だが、産地とは言え、マクワウリについて知る人は、
この地区でももはや数少なく。
先生「私たちはもマクワウリを復活させるため栽培している」
かつての名産も、昭和30年代、甘く品種改良された
プリンスメロンの登場で衰退。
今回、AD山口が会いに来たのは、そんな江戸時代の野菜を残そうとする、
岐阜県立岐阜農林高等学校とまくわうり栽培研究会の皆さん。
マクワウリが育てられているという学校の畑に案内して頂くと、
現地の実が、そこで。
AD山口「めちゃくちゃ似てますよ」
栽培研究会の皆さんに、新宿でできた謎のウリを見て頂くと。
縦縞模様の数が10本あるという特徴が一致していることから、
まくわうり栽培研究会「線が10本ある」
「なら間違いない」
マクワウリである事が判明!
さらに、このマクワウリは、この産地でもわずか3か所の畑でしか
栽培されておらず、商品としてはほぼ流通してなく、
種が出回ることはないという。
という事は、TOKIOの推測のように、この実を生んだのは、
150年以上前に、岐阜の大名が新宿で育てていた種の可能性が極めて高い。
そして、栽培研究会の皆さんが教えてくださった食べ頃は、
AD山口「黄色くなったら、完熟の合図です」
太一「楽しみだ!」
その後、実は10日間かけ、さらに大きく成長。
しかし、そこに大型台風18号が襲来。そこで達也が駆けつけた。
達也「台風対策です」
福島DASH村で学んだ、ワラ縄で実をつり、支える球つりで実を固定。
達也「頼んだぞ!」
その3日後、大型台風18号が関東に最接近。
暴風域が近づくにつれ、雨風はどんどん強くなり、最大風速は22.6メートルにも。
それでも、ワラ網に守られ、無事に台風をやり過ごす事ができた。
そして、その実が完熟を示す黄色に!
その変化は色だけでなく、
太一「近づくと甘い匂いがする!」
さらに、よく見てみると、
太一「ツルがとれてる!これ、大丈夫!?」
AD山口「自然に実が落ちるのも、マクワウリの特徴です」
一般的に、ウリ科の収穫はツルをハサミで切るが、
岐阜のマクワウリは完熟すると勝手にツルから落ちる。
そのため、別名「落ちウリ」とも呼ばれる。
つまり、マクワウリが完熟し、食べ頃を迎えたという事。
本場岐阜、旧真桑村でも激減し、3つの畑でしか
作られていないはずのマクワウリ。
かつては、織田信長を始め、豊臣秀吉、徳川家康にも愛されたという
その味が、150年ぶりにここ新宿で!
太一「いただきます!甘~い!すごい!これは信長も好きだと思う」
約150年の時を経て目覚めた、遠く離れた地のかつての名産。
その貴重な5個の実からとれた種は、約1500粒。
太一「来年、いっぱい作ろう」
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