2017年11月5日 放送内容出張DASH村 ~北海道 メークイン~

トウモロコシ、カボチャ、タマネギなど、生産量全国1位がたくさん!
中でも、全国に出回るシェア、約80%を誇るのが、ジャガイモ。
南米のアンデス山地がその原産地で、適度な乾燥と低めの地温を好むため、
イモが生長する夏、梅雨がなく、カラッとした北海道だからこそ美味しく育つ!
北海道の南端・渡島(おしま)半島にある厚沢部町(あっさぶちょう)で、
ジャガイモを作っているのが、ジャガイモ農家の5代目の外﨑(そとざき)明さん。
54歳だが農業歴は40年以上。というのも、
外﨑さん「小さい頃から手伝わされてた。(私有地だから)トラクターも運転してた」
「農業は早くから始めるほど美味しい野菜を作れるようになる」と、
6代目候補の智文(ともふみ)さん(15歳)もトラクターに乗せ、
その教えを引き継いでいる。
まず気になるのが…
長瀬「畑、どこまであるんですか?」
その広さ、なんと約9000坪。長さ約500mで、テニスコート115面分!でも…
外﨑さん「北海道では小さい方です」
長瀬「さすが、北海道はジャガイモの生産量ナンバー1ですわ」
北海道のジャガイモと言えば、
松岡「昨年、台風で大変でしたもんね」
昨年夏、台風があまり来ない北海道に、3つの台風が上陸。
畑が水に浸かり、土の中で生長中のジャガイモは大半が腐ってしまったため、
出荷に大きな影響が…。
外﨑さん「ここら辺、道南はまだいい方だった。それでも被害はあったけどね」
そんな台風被害を乗り越えた今年は、2年ぶりの豊作だという。
福島DASH村でジャガイモを作っていた松岡は、その豊作の証に気づいた。
松岡「これは今、わざと葉や茎を枯らせている状態ですよね」
ジャガイモは葉で光合成して養分を作り出し、それを溜め込みながら生長する。
やがて、3か月ほどで葉や茎が枯れ始め、作られる養分も溜め込む養分も減少。
そして全てが枯れると、養分が作られなくなるためイモの生長もストップ。
つまり、一番栄養を溜め込み、完熟している状態。
その完熟を掘ってみると、畑から出てきたのは「メークイン」というジャガイモ。
北海道産のジャガイモの不動の主力2大品種は、「男爵」と「メークイン」。
男爵は、日本で一番栽培歴が長く、丸くゴツゴツした、
アメリカ原産のジャガイモ。
一方、メークインは、2番目に歴史が古く、その色白さと細長い見た目から、
外﨑さん「ジャガイモの女王」
イギリス南部原産で、5月に行われる村祭りで、
一番美しい娘が女王に選ばれたことから、「5月(May)」と
「女王(Queen)」と、その形の美しさにちなんで名づけられたという。
と、奥様の節子さんが作って来てくれたのが、
節子さん「メークインの塩煮です」
塩を加えたお湯で30分茹でて、お湯を捨て水分を飛ばした、北海道の郷土料理。
松岡「これ、ちなみに茹でると栄養分が逃げやすいんですか?」
外﨑さん「デンプンが栄養を包んで離さないので、けっこう栄養分が残ります」
ミカンと同じくらいビタミンCが含まれるが、茹でても逃げにくい。
さらに、生のジャガイモには、エグミを感じる成分も含まれるが、
水に溶けやすいため、皮をむいて茹でることで流れ出し、エグミは消える。
その茹でたてをそのままで頂くと、
松岡「うめえ!バター入ってないのに、入ってるみたい。しっとりしてる」
さらに、道南では、この上にスルメイカの塩辛を乗せて頂く食べ方も。
長瀬「最高に美味い」
松岡「メークインとの相性が最高。イモの食感が全然違う」
デンプンの多い男爵は、ホクホクとした食感だが、
逆にメークインはデンプンが少ないだけではなく、ペクチン(食物繊維)が多いため、
水分が多く、しっとりとした食感に。煮崩れしにくく、カレーや肉じゃがに最適。
さらに、食感だけでなく、甘みが強いのもメークインの特徴。その理由は、
松岡「夏が短いから?」
ジャガイモが最も生長する夏、最高気温が30℃を超える「真夏日」が、
札幌や旭川が7日から10日なのに対し、厚沢部は、たった1日。
そのわけは、海に囲まれた半島ゆえ、日本海からの冷たい風が直接吹き込むため。
外﨑さん「養分が貯まる一方で、甘さが出る」
ジャガイモは、人間のように呼吸していて、気温が高いと、
その呼吸が激しくなり、実に溜めた養分をたくさん使ってしまうが、
夏涼しい厚沢部町では、呼吸が少なくなるため、養分がたくさん残り、甘くなる。
そんなジャガイモの収穫も、北海道ならではの大型の機械で!
外﨑さん「ハーベスタというイモ掘り専用の機械」
ゆっくり前進しながら、畑のイモを掘り起こし、
コンベアーで土ごと機械の内部へ。
土やゴミを落とし、観覧車のような仕組みでイモだけが機械の上部へと運ばれる。
松岡「掘って、取って、選別して、ゴミ出して、の同時進行だね」
10分ほどで、約2トンを収穫!
秋にすべてのイモを収穫したら専用の貯蔵庫へ。
低温で熟成され甘みを増したメークインは、来年の2月頃まで全国へ出荷する。
地元ならではの食べ方!教えてくれるのは、三木エミ子さんと並川麻子さん。
まず、一品目は「メークインのコロッケ」。
マッシュしたメークインに、厚沢部産の蝦夷マイタケ、北海道産のタマネギ、
合挽肉を加え、空気を抜きながら小判型に。
小麦粉・卵・パン粉を付け、180℃の油できつね色に揚げる。
ソースをかけて頂く!
長瀬「フワフワの中に、しっとり感があって美味しい!」
二品目は「メークインの肉じゃが」。
豚バラ肉を炒め、北海道産のタマネギとニンジン、
メークインを加えてさらに炒め、水、酒、砂糖、そして、
豚肉の旨み成分のイノシン酸を引き出す、グルタミン酸が豊富な昆布を
入れて煮込む。最後に、香りづけに醤油で味付けし、絹さやを添えて完成!
松岡「味付け最高!メークイン本来の甘さがいいね」
三品目は「メークインのオイスターソース炒め」。
細切りにしたメークイン、豚ロース肉、ピーマン、厚沢部産の生きくらげを炒め、
オイスターソースで味付け。
長瀬「うめ~!ジャガイモの食感が新しい!味付けも最高!」
ラストは「ポテト&ミートグラタン」。
マッシュしたメークインに、バターと牛乳を加えてホワイトソースの代わりにし、
その上に茹でて輪切りにしたメークインを乗せ、ミートソースを。
さらに北海道産チーズとパセリをトッピングしたら、
180℃に温めたオーブンで15分焼く。
松岡「美味しい!優しい味!」
様々なメークイン料理を堪能して思う事は…
松岡「ジャガイモって、他の食材の邪魔をしないんだな」
長瀬「万能だ、ジャガイモって!イモはスゴイっすね!」
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