2018年3月25日 放送内容グリル厄介 ~沖縄県 沖縄を牛耳る外来魚~

今回、達也と長瀬がやって来たのは、
達也「また来ましたよ、沖縄」
長瀬「外来種と言えば、沖縄みたいな感じですね」
沖縄には、日本に侵入した外来種のうち、なんと半分以上の種類が定着。
そのうち4種類は、TOKIOが美味しくいただけるのを確かめたが、
残りの外来種は、1196種も!
河川敷には、マングースの姿が!
加藤「マングースは厄介。いろんな鳥を食べてしまう」
ハブ退治のためにインドから輸入されたが、マングースは昼行性のため、
夜行性のハブを退治するどころか、逆に餌食になる事も。
驚異的な繁殖力でハブより増加し、今や沖縄県内で3万匹以上とも。
ヤンバルクイナなどの固有種を食べるため、現在は駆除対象に。
そんなマングースよりも厄介なヤツを、
4か月前のクララ捕獲の際に見つけていた。それは、
長瀬「ティラピア」
川を覆いつくすほどの群れで、そのあまりの数に手が回らなかった。
ティラピアは、アフリカ原産の淡水魚で、56年前に食用として輸入し、
イズミダイと名付けられたが、普及せず放されて野生化。
獰猛な性格と強い生命力、さらに口の中で子育てするため、数が減りにくく、
沖縄の在来魚たちの住処を奪ってしまった、まさに“沖縄を牛耳る大群"。
加藤「たぶん、100万匹以上はこの沖縄にいる」
つまり、全て捕獲するとなると、3人で約30万匹という計算に。
さすがに人手が足りない、という事で『世界の果てまでイッテQ!』から、
交換留学生の宮川大輔が参戦!しかし…
達也「なんちゅう恰好して来てるんですか。おかしいでしょ、この色!」
まさかの蛍光カラーのシャツを着て来た宮川。
加藤「魚は目がいいので、色に敏感。ぶつかってきます」
ティラピアは、大きいもので体長80cm。
背びれに鋭いトゲがあり、外敵には体当たりで攻撃する。つまり
加藤「ぶつかってきたら、チャンス!」
ティラピアの群れは、川の上流に。
1人25万匹。統率のとれた動きが求められる。となれば…
達也・長瀬「宮川隊長!お願いします!」
宮川「ちょっと待って…わかりました!…いや、わかりましたやないねん」
宮川を隊長に任命し、下流から追い立てるように、ティラピアのポイントへ。
途中、達也が捕まえたのは、南米原産のプレコ。
長瀬「これも食べましたよ、フレンチで。美味しかった」
子供の頃は数cmしかないが、1年で50㎝にもなるため、
飼いきれずに放されてしまう事も。
ワニなど多くの天敵に狙われるため、鱗が進化して硬くなった結果、
日本では恐れ知らずで、近づいても逃げず、捕まえやすい。
長瀬「プレコが獲れないと、ティラピアも獲れないですよね」
交換留学生のお手並み拝見!
最初は戸惑うものの、手掴みで次々とプレコを捕獲!
宮川「プレコって簡単やん」
しかし、今回の本命はプレコではなく、ティラピア。
4か月前、長瀬がティラピアを見つけたのは上流だったが…
宮川「いっぱいいますね!」
生まれて1年未満の子供と思われるティラピアの群れが。
下流にまで生息範囲が広がっていると考えられる。
しかし、なかなか捕まえることができない。
天敵が多いティラピアは、振動を感知する側線が2本あり、
側線が1本の他の魚に比べ、振動を敏感に感じ、危険を回避する。
この川で3度目の駆除となる長瀬が、ようやく1匹を捕まえた!
が、まだ目標の100万匹に達するまで程遠い。そこで、
達也「飛んでるハチを1匹ずつ捕まえてもしょうがないから、巣ごといく」
それは、かつてのスズメバチの駆除で学んだこと。
飛んでるヤツを一匹ずつとってもキリがない。
ならば、巣ごと根こそぎ。その要領でティラピアも一網打尽に。
長瀬には、そんな場所の心当たりが。それは、岩の下のくぼみ。
そこには、目論見通り、ひしめき合うようにティラピアの姿が。
ポイントは、川幅が狭く、追い込みやすい場所。
長瀬は、周囲が岩の陰になる場所で、ティラピアを待ち受けて捕獲し、
達也は、自分の体で影を作り、体の影に入ったら、網で一気に捕獲!
宮川「見事!」
一方、宮川は、水面に反射するほどの蛍光Tシャツが仇となったか、
ティラピアが近くに来ず、捕獲に難航。
しかし、逆に、その目立つTシャツに驚いたのか、ティラピアの群れが、
どんどん水深の浅い方へ逃げていく。
浅くなれば人が動きやすくなり、ティラピアは深く潜れず見やすくなる。
先ほどのプレコで慣れた要領で、ティラピアに飛びつき、手掴みで!
宮川「初めて獲れた!」
その後も、まるで鮭を獲る熊のように、次々と捕獲に成功!
ティラピアの群れを追っていくと、トンネルを発見。
加藤「ティラピアの巣窟かもしれない」
暗い場所で水温の安定するトンネルの中は、ティラピアが好む環境。
長瀬「大量にいるかもしれない」
まさに大量捕獲のチャンス!
ティラピアが川を下らないように、石を積んで一時的な堰を作り、
その退路を完全に断ち、ティラピアが消えていったトンネルへ。
そのトンネルの真上は、市街地。
加藤「温かい生活排水が流れ込むので、冬を越すのにちょうどいい」
トンネル内には、想像以上のティラピアの群れが。
宮川「すごい事ですよね。家の下がティラピアだらけ」
すると、在来種のモクズガニを発見。
海で産卵し、成長とともに川を遡上するが、子供はティラピアの餌に。
さらに、川エビとも呼ばれる、在来種のテナガエビも。
普段は、川の岩影に隠れているが、これも、子供の頃はティラピアの餌に。
つまり、トンネルの中には、餌が豊富にあるということ。
トンネルの先には、段差があり、ティラピアもその先にはいないと思われる。
その証拠に、その段差の上には、先ほどよりも大きく育ったモクズガニが。
そして、トンネル内のティラピアを一網打尽にする作戦が、
長瀬「この奥から、トンネルの入り口の方に戻りながら押し出していく」
宮川「で、浅い所で大量に掬う」
そのために、急きょ、農業用の代かき(通称トンボ)とネットを用意。
トンネルの入り口に、農業用ネットをいっぱいに敷き、トンネルの奥から、
トンボで隙間がないように水ごと押し出し、ティラピアをネットまで追い込む。
ネットに押し寄せるティラピアの大群は、平均身長185cmの
番組プロデューサーとディレクターが抑え込む。
準備が整ったところで、トンボを押し出し、トンネルの入り口へ向かう。
獰猛なティラピアは、トンボを外敵と認識し、体当たりしてくる。
そのまま、一直線に進み、仕掛けていたネットへ追い込んでいく。
しかし、進むほどに水かさが増し、押すトンボへの水圧も増していく。
トンボの隙間から逃げるティラピアを難なく手でつかみ、ネットの方に放るのは、TOKIOではなく、交換留学生の宮川!
短時間での成長ぶりに、心なしか蛍光Tシャツも輝いて見える。
そして、ネットにたどり着き、入ったティラピアが逃げないように、
ネットを引き上げていく。
宮川「うわすごい!作戦成功!」
こうして捕獲したティラピアは、その数200匹!
100万匹には遠く及ばないが、これで確かめられる。
この厄介者・ティラピアは美味しく頂けるのか?
やって来たのは、東京・六本木。すると…
手越「やって参りました!先輩!」
2人目の交換留学生・手越祐也。
『イッテQ』でも様々な未知の食材を食し、その表現には定評が。
そんな手越も交えてやって来たのは、
イタリア・シチリア料理の名店『リストランテ・ダ・ニーノ』。
この店のシェフが、ニーノ・レンティーニさん。
地中海に囲まれたイタリア・シチリア島に生まれ、国内各地で腕を磨き、
地域ごとに特徴の違うイタリア料理をマスター。
ローマ法王のシチリア滞在時には、料理番を務めた。
3000年前に起源を持つ、家庭的なシチリア料理の伝統を守りつつ、
日本人好みの味付けにアレンジ。シチリア州から料理大使に認定されている。
世界中の様々な食材に触れてきたが、ティラピアは見るのも初めて。
触ろうとすると、ティラピアが大暴れ。これにはニーノさんも、
ニーノさん「MammaMia!(なんてこった!)」
慎重にティラピアを持ち上げると…
ニーノさん「イタリアのCarpa(カルパ)に似ている」
カルパとは、鯉の事。
イタリアでも鯉を食べるが、食用に改良された鱗の少ない品種。
姿焼きやマリネなどにするのが一般的。
しかし、ニーノさんの故郷・シチリア島は沖縄と同じく温暖な海に囲まれ、
主にマグロやイワシなどを料理に使う。
一方、北イタリア・ロンバルディア地方は、川魚を使った料理様々。
ニーノさんも修行時代に、その扱いを身につけていた。
まずは、身のチェックを。
加藤「鱗は柔らかいはず。硬いと体が重くなって動きが鈍くなる」
脂が少なく、軟らかくてゴムのよう。
さらに、泥臭い独特の臭いも。
これが、日本人には、受け入れられなかった理由。
さらに、身を焼いてみる事に。
軟らかい身も火を通すことで、身の質が変わることがある。
焼きたてをそのまま食べてみると、その味は、かなり薄味。
一方で、それは味を受け付けやすいということ。
ニーノさん「食材として扱いやすいと思います」
まずは、気になる泥臭さを消すために、レモンの皮を粗めにすりおろし、
そこにオリーブオイルをかけて、ティラピアの身になじませて臭みを消す。
さらに、チーズを混ぜた目の細かいパン粉を皮目だけに付け、
二度付けして厚くし、少な目のオリーブオイルで焼き上げることで、
身の脂の少なさを補いつつも、香ばしさで臭みを抑える。
この技法で、シチリア地方ではイワシなど青魚の臭みを消してきた。
こうして出来上がった一品目が、『ティラピアのパン粉焼き』。
パン粉焼きは、シチリア地方の伝統的な郷土料理。
長瀬「美味しい!臭みが全然ないっすね!あっさり!」
シェフの計算は付け合わせにも。
シチリア名産のオレンジとトマトが、臭み消しに一役買ってくれる。
手越「めちゃめちゃウマい!」
泥臭さは克服した。続けての料理は、身そのものにも旨みを。
まず、アサリ、トマトを炒め、地中海原産のハーブ・ケッパーを加える。
そこに煮崩れしないよう、軽く焼いたティラピアを。
出汁を吸わせつつ、ゆっくり火を通すことで身が硬くなるのを防ぐ。
完成した二品目は『ティラピアのブイヤベース』。
これも、シチリアの名物料理の魚介と野菜を煮込んだスープ『ギオッタ』を
基にした調理。
長瀬「煮込んだから、身がより軟らかい感じがする」
魚介だけではなく、ジャガイモを入れたことで、
その甘みがティラピアの身にしっかりと染みこむ。
手越「超染みこんでる!めちゃボーノ(美味しい)!」
人間だけが持つ料理の力で、厄介者を美味しく頂くことができた。
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