オーストラリア参戦編
 それから3ヶ月、記念すべき2000年の幕開け。
 日本ではこんなニュースが放送された。それは、カヌーのオリンピック代表有力候補選手の1人、佐々木 翼選手(16歳)が秋田県角館市の玉川で行っている強化トレーニングの様子を伝えるものなのだが…

 練習に励む佐々木選手の脇に、何やら黄色い物体が…、まさか?いややはり…アヒル隊長! 実は、佐々木選手と同じく、隊長も強化合宿中であった。そしてその目指す場所も佐々木選手と同じく、「オーストラリア」。

 決戦の地はシドニーの北方に位置する港町「コフス・ハーバー」。ここで一足早く「アヒルたちのオリンピック」とも称されるレースが開催される。美しい海岸に用意された特設コースは全長130m。波に押され、ひしめくライバルたちをかき分けて進む命がけのコース。

 そして出場のエントリー。
 周りを見ると、シンガポールと同じく、外国のアヒル達に対し隊長は1回り大きい…。彼らが60gであるのに対し、隊長の平常時の体重は131g。
 だが、「あの同じ屈辱だけは味わいたくない…」そんな思いに隊長は徹底した減量に挑み、なんと71gの減量に成功、そして堂々のエントリー、そのエントリーナンバーは369番。

 このレース、勝負を左右するのはスタートのポジション争い。カゴのどの位置になるかが重要なカギを握る。隊長はカゴの一番上に積まれ、見事ポールポジション獲得。
固唾を飲む大観衆の中、386匹のライバルと共にスタート!

 レース序盤、出だし快調のアヒル隊長は先頭集団にピッタリマークし、だいたい48位の好位置に。
 その後も、さらにじわじわと順位を上げ、3分が経過すると、ついに先頭を捕える。悲願の優勝へ向け、波に乗るアヒル隊長。
 しかし、レース中盤、隊長の動きに何やら異変が!
 突然のペースダウン、強い向かい風に体の大きい隊長はひときわ苦しめられる。
 そのままレースは終盤へ、アヒル隊長はこの時点およそ61位、そこにさらなるアクシデント、渦巻きに巻き込まれてしまった。
「ここで諦める訳にはいかない」。何とか渦巻きを脱出し、ここからゴールを目指して一気にラストスパート!
2人抜き、1人抜き、再び見えてきた先頭集団。隊長は最後の力を振り絞り、見事「36位」でゴール!

 満足のいく結果、心地良いレースへの満足感に思う…。
「頑張れニッポン!」
 目前に迫ったシドニーオリンピック、他の日本選手への熱いエールを残し、隊長はオーストラリアを後にした。







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