〜 凍み豆腐(高野豆腐) 〜

 凍み豆腐とは、豆腐を一度凍らせてから解凍、乾燥させたもので、普通の木綿豆腐に比べ、豆乳濃度がかなり濃い豆腐を使う。桃山時代頃に、武田信玄が偶然凍った豆腐を食べ、戦の食糧にしようと思いついたのがはじまりと言われている。「しみ豆腐」という名は東北地方の凍るを意味する「しみる」という方言が語源。また、桃山時代、和歌山県高野山の寺でも、保存のきく日常食として、豆腐を凍らせていた。これが高野豆腐として、全国に広がっていったとされている。凍み豆腐は豆腐と同様に、血圧を安定させる良質のたんぱく質、生活習慣病を予防し、老化を防ぐサポニン、ミネラルを豊富に含む栄養食品。さらに消化吸収がよく、水分が少ない分これらの栄養素が凝縮され、とくにたんぱく質の量は、凍み豆腐1個(約20g)で絹ごし豆腐の一丁分(約200g)にも相当する。

■凍み豆腐づくり

 
一晩水に浸した大豆をすり潰す。生豆腐よりもきめが細かく、滑らかにすり潰す。すり潰した豆を煮立て、煮立つところで米ぬかをふりかけ、泡を消す。おからと豆乳に分離すれば、海水を煮て搾り出した、「にがり」で固めていく。(豆乳:にがり、100:1で豆乳が固まる)
豆乳ににがりを加え、50回混ぜ合わせれば、5分程固まるのを待つ。固まり具合を確認しつつ、分離した余分な水分を取り除く。そしてもう一度50回程混ぜれば、穴のある木箱に移し、重石を乗せる。2時間程待ち、水分が抜けた豆腐を1センチ〜2センチ程に切り、乾燥させる。そして、冷え込む夜に外に出し、凍らせる。(−3℃〜−4℃が適温) 一晩凍らせると、白色から黄色に変色し、叩いて将棋の駒の様な音がする。凍ったものは、藁にくくりつけ、縁側などに吊るす。温度の上がる日などは室内に取り込み、1週間から10日で凍み豆腐の完成。
 
  

■凍み豆腐の印籠煮


凍み豆腐10個・凍み大根4本・長ネギ2分の1本・椎茸4個・インゲン5本・ショウガ2分の1・長芋2分の1・昆布4切れ
 
凍み豆腐をぬるま湯で10分程水に浸した。
長ネギ、椎茸、インゲン、ショウガを千切りにし、塩小さじ1、醤油大さじ2を加えてなじませる。芋をすりおろし、片栗粉大さじ3杯を混ぜる。それを長ネギ、椎茸、インゲン、ショウガと混ぜる。
水に浸した凍み豆腐に切り目を入れる。
凍み豆腐の切れ目部分に混ぜた具材を詰める。
鍋に、少量の水、本だし、醤油大さじ3、砂糖大さじ3、酒大さじ3、塩小さじ1を入れ、だし汁を作る。
もどした昆布に結び目をつけ、だし汁に入れて煮立てる。凍み大根をぬるま湯にとおし、4等分に切る。
だし汁が煮立てば、具材を詰めた凍み豆腐と凍み大根を入れ、煮立てる。
40分程煮て、煮汁がなくなれば完成。

■炊き込みご飯(一升分)
凍み豆腐4個・人参4分の1本・椎茸2個・ゴボウ4分の1本
 
人参、椎茸、凍み豆腐4枚をみじん切り、ゴボウをささがきする。
醤油大さじ4、砂糖大さじ1・塩一つまみでを味付けし、炒める。
色が変わり始めれば、焚きあがったご飯のお釜に炒めた具材を入れて蒸す。食べる前に、均等に混ぜ合わせ完成。

■凍み豆腐の揚げだし風


凍み豆腐6個・人参3分の1本・椎茸2個・ほうれん草2株・大根3分の1本・ショウガ2分の1個・長ネギ4分の1
 
凍み豆腐をぬるま湯で10分程水に浸す。
人参、椎茸、ほうれん草をみじん切り、長ネギを輪切りにする。
水に浸した凍み豆腐を醤油大さじ1・砂糖一つまみの砂糖醤油につける。その後、薄力粉につけ、5分程素揚げする。両面きつね色になったら完了。
だし汁400cc、醤油大さじ4、砂糖大さじ3、みりん大さじ1、酒大さじ2であんかけをつくる。
人参、椎茸をあんかけの汁に入れ沸騰するまで煮込む。
素揚げした凍み豆腐を斜めに半分に切り、ほうれん草とあんかけ汁に入れて3分程煮込む。
水溶き片栗粉を入れ、5分程煮込む。片栗粉大さじ2と小さじ1、水100cc。大根とショウガを鬼おろしでする。
とろみがつけば、盛り付け大根おろしとおろししょうがをのせて完成。DASH村では春らしく、これにフキノトウの素揚げも加えた。

■味噌汁
凍み豆腐3個・凍み大根4本・凍み白菜4分の1個・大根の葉1本分
 
大根の葉、水に浸した凍み豆腐、凍み大根、凍み白菜を適度な大きさに切り、鍋に入れて煮立てる。
沸騰すれば、味噌を入れて味付けする。
味付けが終われば煮立てて完成。

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