薄荷(はっか)とは・・・
シソ科メンタ属の多年草。
体につけても、臭っても、ひんやりとした清涼感を出す薄荷は、日本に元々自生していたとも言われるが、その多くは江戸時代始め、生薬のための栽培用として持ち込まれた。
薄荷に含まれる薬効成分メントールによって殺菌や解熱など多くの効果があることから、江戸時代の頃から様々な生薬として利用され、現在でも清涼剤や目薬、湿布など色々な製品に使われている。

●5月中旬 定植
明雄さんが持ってきてくれた和種薄荷の苗を20cmの間隔で植えていく。
薄荷は種からも育つが、地下茎から切り取った根の付いた苗で植えた方が丈夫に育ち易いというこということで、今回は、苗を定植した。

●6月〜8月 除草
4畝に並んだ苗は、恵まれた天候ですくすくと成長した。その間雑草を取り除き、通気性を良くすることを心がけた。

●9月上旬 花咲き・収穫
花の蕾が出来てから開花するまでの間が、薄荷オイルが最も葉に蓄えられる時期であり、その頃を狙って収穫のタイミングを待つ。
花は逞しく咲いていき、三分咲きになった頃、薄荷の収穫を行った。

●9月中旬〜10月上旬 乾燥
収穫した50束の薄荷を、母屋内で陰干しする。陰干しすると、ゆっくりと蒸発する水分が葉の中の不純物を運び出し綺麗な状態の油分が残る。また、花の裏にある気孔が閉じ、油の揮発を防ぐこともできる。

●12月 蒸留
急激に100度の水蒸気で葉の中の油を気化させ運び出す。
それを今度は40度以下まで冷やせば再び液化し、水と油の蒸留水となる。
まずは、蒸留装置を作る。湯を沸かすドラム缶の上に葉を入れる蒸留槽を置く。
蒸留槽は、和紙で楮を蒸したものを改良したもの。蒸気をしっかり液体にしておくために、蒸気の通る鉄の管はしっかりと冷やしておく。
薄荷の蒸留はスピード勝負でもあり、鉄の管が冷えていないと、薄荷の成分が気体となって、どんどん逃げてしまう。油が、液体となるのは40度以下。全員で、急いで鉄の管を冷やす。
蒸留水が冷え始めると、少しずつ油が浮いてきた。瓶いっぱいに溜まった蒸留水が全部で計5本できた。
後は、薄い油膜を取り出すために、一晩凍らせ油と水を分離させる。
次の朝、水が溶けてしまったものに関しては、スポイドで薄荷オイルを採り、結果40gの薄荷オイルを採ることができた。