「木組み〜家の再生」

@地鎮祭

地鎮祭とは、起工に先立ち作業の安全、建造物の平安を祈る儀式。
家を建てるために整地した場所にて、神主さんと共に全員で祈祷。作業の安全を祈願する。
そして、穿初(うがちぞめ)の儀という、築いた砂の山に鍬、鎌、スコップを入れる儀式をすませ、敷地内の各所にお神酒をかけ、清める。


A石積み

家の前面に、大きな石を横一列に並べる。これは、家の場所をより強固で崩れにくいものにするため。石を並べると、荘厳な印象になった。


B丁張り

丁張りとは、木組みの基準となる家を囲うような板を、水平に張る作業。
まずは、家の大きさ分に張った地縄という縄から1メートル外側に家を囲む形で杭を打つ。
そして、そこに水平となるように板を打ち付けていくために、水盛り缶という、ホースのついた缶で水平を測る。
これは中心に水を入れた缶を置くと、缶の中の水かさを決めればホースに上がってくる水は常に同じ高さを示すため、その高さを基準として水平が出る。
水盛り缶から伸ばしたホースで家の周りの杭すべてに同じ高さの印をつけ、同じ高さになるよう板を打ち付ける。
これで敷地を囲う高さ一定の枠ができ、それが木組みの基準となる。


C束石置き

柱の土台となる束石を、もとの家と同じ場所に置いていく。
まずは、大黒柱の下にあった大きな大きな「大黒石」から。この石の位置は大黒柱の位置でもあるため、正確に置かなくてはならない。
丁張りの板を基準に、図面を見て縦横二本の糸を張り、その糸の交差した点が元の大黒柱の位置。そして、交わった点から垂直に重りをたらす。その点が大黒柱の中心となるポイントとなるのだ。
約200キログラムの石をリヤカーで運び込み、スコップで穴を掘り、柱が沈まないように小石を掘った穴に敷き詰め、その上にてこの力を利用して置く。
そして、「胴突き」という、巨木を切ってつくった重量のある巨大な杵とでもいうべき道具をロープで持ち上げ、突き固め、柱がぐらつかないような土台をつくる。
「大黒石」の他、すべての柱の下にこうした大きな石を置いた。


D大黒柱周辺の木組み

運び込んだ古材は溜め池の上の空いた土地に置いてある。そこで、図面を見て24センチ角のけやきの木でできた大黒柱を探し、家の場所に運ぶ。
まずは、真ん中の大黒柱のある部屋の木組みから。
大黒柱と上になる梁や他の柱を鳥居型に組み、かけやで打ち付ける。
そして、酒と塩で清め、10人がかりでロープを使ってなんとか柱をおこし、てこの力で束石の上に上げてロープで固定。
この他にも大黒柱につなげる別の柱部分も組み立て、真ん中の部屋の骨組みが完成する。



E床の間の木組み

大黒柱周辺の材が組み終わったら、続いては正面より見て左手の床の間の木組み。
解体の際につけた番号にあう古材を探し、柱を立て、横に渡す梁を通し、組んでいく。
ただ、組み立てた後に大きな問題が発生。
柱が一本足りないのである。
古民家を再生する際には、こうしたことはよくあること。
そこで、かつて伐採した木を、建築中の仮の柱として建てる。移築の場合、こういった不足部分を補う作業も重要。


F各部屋の木組み

広さ40坪もの家の各部屋の柱、梁を組み、解体前の姿が次第に新たな形で蘇ってくる。
ただ、なにせ築200年の家屋。ところどころ折れた部分や欠落した部分がある。
正面から見て右奥の部屋となる部分では、梁と梁をつなぐ継ぎ手が折れてしまっていた。
そこで、「鎌継ぎ」という高度な継ぎ手をつくり、梁をつなぐ接合部分となる二本の梁を一本に。
あくまで元の古材を活かすことにこだわって取り組む。


G玄関の木組み

玄関部分の木を組む。
ただ、玄関の大事な柱は、あろうことか真ん中で腐って折れていた。
そこで、修復しようと試みるが、200年前の古材のみで蘇らせることに挑んでいるため、材には余裕がない。ならば、と、折れた材の長いほうは活かして、新しい材をそれにつなぐことに。

つなぐ材は、解体した家屋の隣にあった離れのものを使う。
この接続は大事なところなので、棟梁の発案で二種類の継ぎ手を組み合わせた複雑な方法を取り入れることに。この方法は、縦横どちらからの力にも強く、斜め上へスライドさせなくては絶対に外れないのである。
これは大阪城の大手門の柱にも用いられている高度な技。
のみで削って慎重に継ぎ手を加工し、見事一本の丈夫な柱となった。
三段になっているほぞも、200年前の建築当時と同じように削って復元。



H天井部分の木組み

部屋の部分の材を組み終えたら、続いては天井部分の組み立て。
長さ13メートル、重さ500キログラムの「掛け木」もクレーンで吊って梁の上に渡し、かけやで打ち込み安定した天井を組む。


I合掌の木組み

長さ13メートルの掛け木の上に、合掌屋根の骨となる一辺5.5メートルの材を二等辺三角形の形に組み、クレーンで吊って、組み上げる。
そして、その合掌の上に長さ8メートルの棟木を渡し、家の骨組みづくりはついに完成。
家の建築においてこの段階に達することを棟上げというが、それはこの棟木を上げることに由来。
これで家の骨組みとなる部分は完成した。



J上棟式

家の骨格部が完成。
ここで、家の建築の目処が立ったことを祝い、上棟式という儀式を行う。
上棟式とは、建前や棟上げともいうが、古くより伝わる儀式で、風、水、火の神などに自然災害をもたらさぬように祈願することと、施主の厄を払う意味がある。
方法は、地方にもよるが、DASH村では棟梁の仕切りのもと、野菜、魚などをお供えし、酒や塩を棟からまき、そして、隣村の方々に集まっていただいて、棟の上より、もちや硬貨、お菓子などを投げた。
これらを投げるのは、古くより家を新築した年には何らかの厄がその家にもたらされる、という言い伝えがあり、もちなどを投げてたくさんの人に拾ってもらうことで、その厄を分けて持ち帰ってもらった、ということに由来するという。


一目でわかる。蘇らせるための挑戦の過程はこちら


家の骨組みが完成。
この後は、萱葺きの屋根づくり、床板張り、土壁塗りなど、まだまだ挑戦は続くが、
果して築200年の家屋はDASH村で蘇るのか?