明雄さんのにっぽん農業ノート

  • 青森県の南東部に位置し、東は太平洋に面する三沢市は、夏季に北東の海上から冷たく湿った風、通称「やませ」が吹く。「やませ」の冷たい風は、米や作物に影響を与える(冷害)ため、対策として、畑を囲うように「防風林」が植えられている。
  • 特に、やませの影響を受けにくい根菜類の栽培が盛ん。
    中でも、「ごぼう」は日本一の生産量を誇る。(2012年現在)

  • 三沢市で栽培されているごぼうは「柳川理想」という品種。ごぼうの品種の中でも、特に白いとされ、食感がやわらかいのが特徴。
  • 三沢市では、種蒔きを4~5月に行い、収穫は9月末~11月頃。収穫の最盛期、旬は10月である。
  • 三沢市の土は、火山灰で出来ている黒ボク土。とても柔らかく、石などが混ざっていないため、根菜類の栽培には最適。そのため、三沢のごぼうは、真っ直ぐ長く育つことができる。
  • 葉の丈とごぼうの長さは、ほぼ同じであり、長いものは、150センチにもなるという。

織笠光子(おりかさみつこ)さん(58歳)と、正廣(まさひろ)さん(66歳)ご夫婦は、ごぼうを栽培して20年。
正廣さんは、定年まで勤めに出ていたので、主に光子さんが畑作業を行ってきた。そのため、光子さんはトラクターなど何でも乗りこなすことができる。

お手伝いしたこと

①ごぼうの葉を刈る
収穫する前にチョッパーと呼ばれる葉の粉砕機で、葉を刈る。
このチョッパーには、鋭い刃が40本ついており、その刃が高速で回転することにより、ごぼうの葉のように長く大きい葉でも簡単に粉々にすることができる。

②収穫
ごぼう収穫機(堀り取り機)を使う。二枚の刃が、地中にもぐってごぼうを土ごと堀りあげる仕組み。そのごぼうを、ベルトがはさんで抜き上げる。抜き上げられて、カゴに一定量たまると自動的に、ごぼうの束が落ちるようになっている。

③ごぼうの頭切り
ごぼうと葉の境目(生長点)の部分を包丁で切り落とす。この生長点が残っていると、生命力が強いごぼうは葉を伸ばそうと、ごぼうの中の栄養分を吸い取って、しなびてしまう。

④選別作業
収穫したごぼうは、ごぼう選別機「らくべー」でサイズごとに分ける。ごぼうをトレーに乗せて流すだけで、2S~3Lの7サイズに重さで選別してくれる。選別後は、鮮度を保つため土付きのまま箱に詰めて出荷する。

明雄さんメモ

  • まず土が、村とは全然違ったな。愛知県の守口大根を作っている土地のように細かくてサラサラした土だから、まっすぐよく育つんだ。長芋とか根野菜の栽培に適しているんだな。
  • サラサラしていると作物に土がつかなくて、きれいに育つし、収穫した後にすぐに調理できるんだな。
  • DASH村は石が多いから三沢市のようには育たないけど、川の近くを開拓した時は、似たような土だったぞ。川の底やその近辺の土はサラサラした土になるんだな。

南雲吉則先生

  • ごぼう博士として有名だが、本職は乳腺外科医。
    全国にあるナグモクリニックの総院長を務める。昭和30年生まれの57歳。
  • 今から20年前、食生活の乱れや便秘、不整脈を患っていた。それに生活に危機を感じ、自身で様々な体質改善を試した結果、行き着いたのが「ごぼう」だったという。
    その結果、20年前は77kgあった体重が、現在では62kg、さらに悩んでいた不整脈も治ったとのこと。
  • 自身の経験をもとに、ごぼうの効果、効能を広めた南雲先生のごぼうに関する本は、ロングセラーになっている。まさに、ごぼうブームの火付け役。

明雄さんメモ

ごぼうにすごく詳しくて、すごいな。でも、年齢を聞いた時は、思っていた年齢よりも若くて驚いたぞ。

ごぼう料理

ごぼう茶

  1. ごぼうを水洗いし、皮ごとささがきにする。
  2. 日当りの良い場所で天日干しにする。(晴れた日だと2~3時間程度で乾く)
  3. フライパンで水分がなくなるまで焙煎する。
    手でつぶして粉々になる位パリパリになったら完成。
  4. 密封して冷蔵庫に入れると半年位保存できる。
    飲むときは、お湯を注ぐだけ。また、ごぼう茶の出がらしは、料理にも使うことができる。
  • ごぼうには、活性酸素を除去する「抗酸化作用」と脂肪やコレステロールを分解させるはたらきがあるサポニンが含まれているという。
  • さらに、イヌリンという水に溶ける食物繊維も含まれているため、便秘やダイエット、ガン予防にも効果があると言われる。

ごぼう鶏

  1. 鍋に手羽元、その上からごぼうを直接斜め切りに、手羽元が隠れる位入れる。
  2. ひたひたに水を入れ、めんつゆで味付けする。煮込むため、少し薄味にするのがコツ。
    (好みにより、みりんなどを入れても美味しい。)
  3. ごぼうと手羽元が水分を全て吸うまで、約1時間程、弱火で煮込めばできあがり。

ごぼうご飯

光子さんの一番の得意料理。特別なお祝い事やイベントの際につくることが多いとのこと。
餅米にごぼうのささがきをたっぷり入れ、2度ふかしている。