出張DASH村

新潟県村上市

  • 新潟県の最北に位置する。
  • DASH村と似た気候で、冬には日本海から冷たい風が吹き付ける豪雪地帯。

瀬波(せなみ)南国フルーツ園

  • 2010年8月に開園。温泉の熱を利用したり、最新鋭の装置を完備した南国フルーツ用のビニールハウス。
  • 日本海の海岸沿いの崖にそびえ立つ。
  • 近くに瀬波温泉。
  • 敷地内にはハウスが2軒あり、1軒はドラゴンフルーツやマンゴーなど、17種類の南国フルーツを栽培し、見学も自由にできる。もう一つは耐寒性のあるパッションフルーツを中心に栽培。

遠山 忠宏さん (42歳)

瀬波南国フルーツ園 代表取締役
米を栽培する農家でもあるが、雪国である新潟県で南国フルーツ栽培を目指し、品種改良などにも取り組む。

温泉熱による温度管理

  • 冬場のハウスの加温は、約1km離れた源泉からパイプをひき、温泉の熱を利用。
  • 源泉は90℃くらいだが、ハウスに届く頃には55℃くらいになる。
  • 今年の冬はシステムの不具合で温度管理がうまくいかずバナナの葉が枯れるなどの生長障害が見られた。

循環型農業(バイオマスプラント)の取り組み

瀬波温泉街の生ゴミなどの廃棄物をメタン発酵させる(有機物を酸素が無い状態におくことで、微生物によりメタンガスを発生するシステム)。これで発生したメタンガスを集め、熱エネルギーに代え、発電したり、南国ハウスを加温したりする。ここで出来た南国フルーツを消費者に届けることで循環型農業が確立する。今年の秋にこの循環型農業が実現出来るように目指し、準備中。

パッションフルーツの品種改良

3年かけて、−5℃でも耐えられるパッションフルーツに品種改良。

1年目
沖縄から苗を取り寄せ、無加温で越冬させる。97%が枯れたが、3%は春まで生き残る。

2年目
生き残った木をさし木にして、同じように冬を越させたところ、50%が生き残る。

3年目
さらに2年目に生き残った木をさし木にした苗は、100パーセント越冬し耐寒性のあるパッションフルーツの品種改良が完了。1本の木から1回で100個ほど収穫でき、年に3回実がなるようになった。
※DASH村で栽培した際は、温度管理に苦戦し、わずか1個しか収穫出来なかった。

島バナナ

  • 瀬波南国フルーツ園で育てているバナナ。
  • 主に沖縄・奄美諸島・小笠原諸島で栽培される。
  • 茎が細く、背が高いため台風の影響を受けやすく、生産数が安定しないことから、本州ではほとんど流通しない。
  • 実の長さ10~15cm程度、太さ3cm前後の小型のバナナ。
  • 味は濃厚で、適度な甘味と酸味がある。

ジャボチカバ(フトモモ科ミルキアリア属)

  • 分類:フトモモ科キブドウ属
  • 原産地:ブラジル南部など、熱帯地域や亜熱帯地域
  • 生育適温:15~30℃
  • 背丈はおよそ10mになる。
  • 木の幹に直接、白い花が咲き、その後、大きさ・色・味ともに巨峰によく似た実がなる。
  • 現地では生食の他、ジャムやジュース、アルコール飲料の原料として利用される。
  • 収穫するとすぐに痛んでしまうため、ほとんど流通しない。

明雄さんメモ

  • 南国作物は、やっぱり温度管理が一番大事だな。村でパッションフルーツを育てていた時もなかなか結実せずに、途中で花が落ちてしまったのは温度が一番の原因かもな。
  • 瀬波南国フルーツ園は、品種改良したり、最新の機器を使って温度対策していた。村では薪の暖房システムで厳しい冬を乗り切った。寒い所は、寒い所なりに試行錯誤してやっていかないと、何も育たないんだ!
  • 村でも南国フルーツの品種改良ができるかもしれないけれど、もっと広い敷地が必要だな。数株だけだと、一年目に全滅してしまう可能性もあるから、難しいな。