出張DASH村

原産:インド北東部、ヒマラヤ東部山麓。

栽培地域:熱帯と亜熱帯地域。特にイタリア、スペイン、ポルトガル、アメリカ(カリフォルニア)。

樹木:高さ3~6m。

花:薄紫色でオレンジの花に似たあまい香りがする。
「四季咲き性」(1年に3回開花する)で、5月、6月、11月に開花するが、約80%は5月に咲く。

果皮:外果皮の下にスポンジ状の白い中果皮があり、栄養が豊富。

果実:天候不順で開花がおくれないかぎり、1年じゅう実をつける。
成木からは年間1000~2000個のレモンがとれることもある。

栽培適地:温暖で水はけのよく、海岸地帯の斜面が主な産地。
土地で生産される。特に、年平均気温が15℃以上の地域でよく育つといわれる。
日本では広島県をはじめとする関東以南の暖地に産地が点在している。

日本におけるレモンの歴史

日本へ伝わったのは明治のはじめ。1873年に熱海に来た外国人がレモンの種を庭先にまいたのがはじまり。レモンは和歌山や広島に伝わり、栽培が続けられていたが、輸入の自由化によって一度は栽培数が激減。
しかし現在では、輸入レモンに防腐剤が使用されていると言うこともあり、国産レモンの生産が伸びている。

世界のレモン生産

生産量トップはインドで約310万トン。2位はメキシコ、3位はアルゼンチン。日本は61位。
日本はアメリカとチリから多くのレモンを輸入しているが、そのアメリカは6位、チリは15位。
アメリカのおもな栽培地はカリフォルニア南部で、全米の年間産出量の平均約80%を生産している。

香りの源『油胞(ゆほう)』

果皮の表面をよく見ると小さな点が多く並んでいるが、これは油胞と呼ばれ、香りの源となる精油が豊富に詰まっている。一般的に、思い浮かべるレモンの香りは、果汁ではなく、この油胞が元。
葉、枝、花とほとんどの器官にあるが、根にはない。
油胞にある精油の量は草本ハーブなどに比べて極めて多量。
カンキツの精油は大部分が炭水化物で、200以上の成分の種類が含まれる。
レモンの皮に含まれるシトラールは果汁に含まれる量の約7,000倍!

国産レモンの搾り方

料理の香りづけに使うときに、レモンの果汁をかけるが、本来、果汁だけでは酸味が加えられるだけ。
香りづけのためには、油胞をつぶしながら搾りかけなければならない。
果皮を強く押しつぶし、飛び出た精油を料理に掛けたり、染出た精油を果汁で流し、かける。

国産レモン

日本はアメリカやチリなどから輸入しており、その量は国内生産量の約7倍。自給率は約13%。
国産レモンの全生産量の半分以上を広島が占めている。そのほか、関東以南の暖地に産地が点在している。
輸入レモンには、輸送に時間がかかるなどの理由から、収穫後、防腐剤を使用されることが多い。
一方で、国産は、収穫後、作物に農薬を散布する事が禁止されている上、減農薬で栽培しているということで、注目を集め生産量は年々増加傾向にある。

グリーンレモンとイエローレモン

グリーンレモン:10月~12月頃

「グリーンレモン」は、果皮が黄色いイエローレモンと比べ、さわやかな香りと酸味が特徴。輸入レモンも果皮が緑色のうちに収穫するが、船便で何週間もかけて運ばれてくるため日本に着く頃には黄色になるので、
グリーンレモンは、国産レモンの証。

イエローレモン:1月~4月頃

イエローレモンは、木の上で黄色くなるまで熟してから収獲される完熟レモン。
こちらも、国産ならでは。完熟になると、酸味が減るので、少しまろやかに感じられる。

広島県尾道市瀬戸田町

瀬戸内海に浮かぶ生口島と高根島の2つの島からなるレモンの大産地。
年平均気温は15.6度、年間降水量1100~1200mmと少なく、柑橘栽培に恵まれた条件を備えている。
地形は両島とも中央山並み(300~400m)と、島の50%が急傾斜地で占められている。
土壌は、大部分が水はけの良い花崗岩。
昭和元年にレモンを導入してから、日本で初めて商業目的の栽培を始めた。

レモン農家
原田悟さん (59歳)

レモン栽培歴、およそ40年。13種類以上の柑橘類を栽培している。
減農薬でレモンを栽培する傍ら、ハート形や星型、そして珍しい種類のレモンを栽培するなど、様々な事にチャレンジしている。

特別栽培エコレモン

瀬戸田のレモンは、平成20年に広島県特別栽培農産物「安心!広島ブランド」として認証された。
特別栽培農産物を取得するには、農林水産省の「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に沿って、節減対象農薬・化学肥料と5割減に取り組んだ農作物が対象となる。

珍しいレモン

スイートレモン

レモンの突然変異種で見た目はレモンそのものだが、酸味がなく、甘い(糖度12%、酸度0.5%)。生食できるが、淡白な食味。別名はリメッタ。

ヒメレモン

1個70g前後、直径4cmほどの小粒レモン。
中国やインドに分布していて、別名「紅レモン」「広東レモン」とも呼ばれる。
11月中旬に色づき始め、12月には濃いオレンジ色に。レモン同様果汁を利用するのはもちろん、園芸用の鉢植えとしても親しまれている。

ハート型・星形レモン

6月頃、まだ小さい実に型をはめる。生長するとハート型・星型になる。
カフェなどに出荷し、ハート形のレモンが浮かぶレモンティーなどとして親しまれている。

レモンの木にトゲがある理由

柑橘類にトゲのない品種は多いが、レモンは時に縫い針くらいのトゲを持っている。
諸説あるが、一説では、動物などから身を守るためと言われている。
レモンは酸っぱいため、果実を食べる獣類は少ないが、果実以外にも葉をシカやアゲハ蝶の幼虫に食べられる。同じ柑橘類でトゲがない木は多いが、レモンは樹勢が強い為にトゲが出やすい。樹勢が強くなる夏は、特に伸びやすい。
※動物からの防御という解釈は「推測に過ぎない」と批評されることもあるが、コウモリ以外の哺乳類がいないニューカレドニアに棘をもつ植物が極めて少ないことや、草食動物が多い地域では鋭い棘が発達した植物が多数あるといった観察事例から、動物の捕食に対する防御という解釈を支持されることもある。
※品種改良によって、トゲのないものも生み出されている。

レモンの皮は栄養がたっぷり

レモンの代名詞ビタミンCをはじめ、レモンポリフェノール、シトラールなどの栄養素は、果肉(果汁)よりもむしろ皮の方に多く含まれていると言われる。健康にも、ダイエットなどの美容にも良いと言われている。収穫後、輸出にかかる日数に耐えうるために、必ずポストハーベスト農薬と言う防カビ剤を使う必要がある輸入レモンと違い、防カビ剤を使用していない国産レモンは、皮まで安心して食べることが出来る。

レモン料理

ホットレモネード

レモンをハチミツに漬けておく。
充分漬かったら、適量をカップにいれ、そこにお湯を注ぐだけ。

レモン鍋

  1. レモンを薄く輪切りにし、水に浸けて灰汁抜きをする。
    ※この灰汁抜きが不十分だとレモンから苦みが出ることもあるので、十分に行なう。
  2. 鍋にだし汁、うすくち醤油、みりんを入れ、ひと煮たちさせたら野菜を入れる。
  3. 野菜に火が通ったら牡蠣、豚肉を入れ、レモン果汁2個分を搾り入れる。
  4. 上に大根おろし、灰汁抜きをしたレモンのスライスを乗せ、さっと煮たら完成。

レモンの皮のかき揚げ

  1. レモンを桂剥きし、レモンの皮を千切りにする。
  2. 人参とタマネギをあえて、水で溶いた小麦粉で揚げる。