出張DASH村
長岡市は新潟県のほぼ中央に位置し、日本一の大河・信濃川が市内中央を流れ、日本海・守門岳など自然環境に恵まれた人口約28万人の都市。
ナス王国新潟県
あまり知られていないが、新潟県はナスの栽培面積が全国一位。
しかし、出荷量は全国で16位と低い。
つまり、新潟県では、収穫したナスの約70%を県内で消費してしまうほど、新潟県民はナスが大好き。
しかも現在、新潟県では約20種類ものナスが栽培されており、漬け物用、炒め用、煮食用、焼き用など、食べ方によってナスを使い分けるのも特徴の一つ。
小林幸一さん
笠帽子がトレードマーク、巾着ナスを作りつづけて50年にもなすベテラン農家。
巾着ナスなど、長岡の伝統の野菜を途絶えさせたくないという思いから、71歳になる現在でも早朝から夜遅くまで農業に励んでいる。
奥様 フサ子さん
幸一さんの奥さん。巾着ナスの収穫などを担当し、幸一さんと共に農業に励む。
新潟県長岡市で約100年前から栽培されている伝統野菜。
まるで紐で口を絞った「巾着袋」のように筋が入っていることからその名がついたとされる。
しかし、栽培が難しく、形の悪いものが出来やすいため、「こんな恥ずかし形のナスを他所様に食べさせられない」と自然と門外不出のナスになってしまったと言われている。
そのため、現在でも長岡市以外のスーパーや直売所にはなかなか出回らない。
特徴 <硬さ>
巾着ナスの特徴の一つがその硬さ。
ナスを叩くとスイカのような音がし、かじったとしても簡単には噛み切れないほど実が緻密なのが特徴。生で食べても甘味が強い。
長岡で巾着ナスが育つ理由
信濃川の恵み
巾着ナス畑の近くに流れているのは、日本一の長さを誇る信濃川。その信濃川が大昔に氾濫した際、土が徐々に堆積して出来た土壌で巾着ナスは栽培されている。
山から流れ出た栄養分が豊富に含まれた土壌のため、栽培が難しいとされる巾着ナスが育つとされている。
農家 小林さんならではの栽培方法
一般的なナス栽培は大量の水を与えるものが多いが、小林さんの栽培方法はその真逆。
土はカラカラに渇いており、めったなことでは水をあげないという。
小林さんの巾着ナス畑は信濃川に近い事もあり、地中深くには水がしみ出している。巾着ナスに水分を与えないことで、水を求めて必死に根を伸ばし、わずかに得られる水を吸収しながら自らに糖分を蓄える。
更に根を伸ばした分、地中からの養分も多く得ることができるという。
蒸かしナス
巾着ナスの代表的な食べ方。
実が硬すぎる為、焼きなすなどの料理には向かない。そのため、長岡周辺では昔から巾着ナスを蒸して食べる文化が広まった。
蒸かしても身が崩れる事はなく、柔らかいのに歯ごたえがある不思議な食感。
その美味しさと刺身のような食感から、「畑のトロ」と呼ばれている。
- 巾着ナスの皮を剥き、約15分蒸す。
- 串がスッと通るぐらいになったら取り出し、余熱を取ってから冷蔵庫で一晩冷やす。
- スライスし、生姜醤油に付けて食べる。
巾着ナスの素揚げ
- ナスを一口大に切り、180℃の油で3分ほど揚げる。
- 油をきってから、皿に盛りつける。
- 味噌に砂糖やみりん、醤油などを混ぜて作った特製味噌をそえて完成。
巾着ナスの丸ごと肉付め
- なすをヘタ付近から横に切り、中身をスプーンでくり抜いてから180℃の油で3分ほど揚げる。
- くり抜いたナスは1㎝角に切り、玉ねぎと一緒に炒める。
- 炒めたナスと玉ねぎに、ひき肉とパン粉、卵を混ぜ、塩こしょうをして粘りが出るまでよく混ぜる。
- 揚げた器に先ほど混ぜたタネを入れ、オーブンで20分ほど加熱する。
- 火が通ったら一旦取り出し、トマトソースとチーズをのせて更に4分加熱する。
- チーズがトロリと溶けたら完成。
マボの作った麻婆ナス
- 一口大に巾着ナスを乱切りにし、一度油で3分ほど素揚げする。
※最初に素揚げすることで、味がしみ込みやすくなる - フライパンにごま油を入れ、刻んだニンニクと生姜を入れ香りをつける。
- 素揚げしたナス、多めのひき肉、塩を少々加え炒める。
- 豆板醤、オイスターソース、鶏ガラスープの素で味を整える。
- 刻んだネギを入れ、仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつけて完成。
巾着ナスの冷やし茶漬け
- 蒸かした巾着ナスを1cm角に切る。
- ある程度刻んでおいたネギ、ミョウガ、生姜、大葉を加え、味付けとして味噌を入れて、刻みながら混ぜていく。
- 更に手で混ぜ馴染ませたら、水で洗ったごはんの上にのせる。
- 三つ葉をふりかけ、よく冷やしておいたカツオ出汁をかけ完成。
※カツオ出汁をキンキンに冷やしておくことがポイント