出張DASH村

高知県香南市

高知県はニラの生産量が日本一。中でも香南市は高知県内最大の産地。
一年を通じ、豊富な日射量と温暖な気候、市内を流れる物部川、夜須川などがもたらす豊かな水と肥沃な土壌を生かし、ニラを始め、ゆずや温州みかんなどの果樹の他、やっこねぎやメロン、なす、フルーツトマトなどの栽培を行っている。

お世話になった方

父:恒石彰彦(つねいしあきひこ)さん

30年ほどナスを栽培していたが、ナスの花粉アレルギーだった息子 昌彦(よしひこ)さんが後を
継ぐと決めた時、ナスの栽培をきっぱりとやめ、息子と一緒にいちからニラを栽培し始めた。現在はJAのニラ部会・副部会長を務める。

母:恒石郁代(いくよ)さん

彰彦さんの奥様。彰彦さん同様、JAの女性部の代表を務めている。
ニラ料理名人。

息子:恒石昌彦(よしひこ)さん

元々はサラリーマンをしていたが、25歳のときに後を継ぐ事を決め農業を始めた。
現在はJAの青荘年部副部長を務めている。

ニラ

ユリ科ネギ属。「葉ニラ」「黄ニラ」「花ニラ」の3つの種類があり、最も一般的なものは緑色の葉ニラで、その色から青ニラとも呼ばれている。暑さや寒さにも強いうえ、年間を通して全国で栽培されている。また、ビタミンB1、ビタミンAなどの栄養素を多く含み、ニンニクなどに含まれる成分、「アリシン」による、疲労回復や風邪の予防、冷え性緩和、整腸作用などの効果があるとされている。
また、旨味成分のグルタミン酸をネギの3倍近く含む。

ニラに含まれる水分

  • 気温が高い日中、植物は多くの水分を消費する。
    1.光合成 → 養分を作り出す際、水が必要。
    2.高温から身を守る → 水分を出すことによって、体温を下げる。
  • 夕方、気温が下がると、水分の消費が減り、再び根から吸い上げた水分が溜まるようになる。
    →放出する水の量が減り、溜まる水の量の方が多くなる。
    →ニラの葉がしおれたり、ピンと立つように見えるのはこのため。
  • この水には光合成によって出来た糖分が含まれており、舐めると甘味を感じる。

豊富な清流の水

  • ニラ栽培には水がとても重要
    日中に使う水分を補うため、天井からスプリンクラーでまくだけでなく、地面にはわせた管から直接、根に水をやっている。
  • 市内を流れる物部川や夜須川の水を使用
    高知は森林の割合が83%と山が多い県。その山々から豊富な水が湧き出るので、ミネラルをたっぷりと含んだ水を与えることができる。

高知県ならではの栽培方法

  • 白いマルチにて栽培
    白いマルチを使うことで太陽光を反射させ、葉に当てることで光合成を促進させる。
  • 畝にて栽培
    ■畝にすることの利点
    1.根を広く張らせる。
    2.水はけが良くなる。
    3.空気が土の中に入り込みやすくなる。
    →空気を取り込むことによって、根に酸素が供給されるだけでなく、土中の微生物の活動が活発になる。

伸びるメカニズム

ニラには球根がある。その球根には常に栄養が蓄えられ、その栄養を元に、刈ってもすぐに新しい葉を生長させることができる。刈ってから30分で1㎜は伸び、1日で3㎝は伸びることも。しかし、切っていくうちに球根の栄養分がなくなってくるため回数には限度がある。

高知県のニラが出来るまで

  • 2月:【種を蒔く】
    ポットに種を蒔き、苗を育てる。
  • 4月:【定植】
    ポットから畑に定植する。
  • 5~7月:【株を育てる】
    ニラの葉を伸ばし、たっぷり光合成をさせることで、球根を大きく育て、十分に養分を溜めさせる。
  • 8月~翌年2月:【収穫】
    55㎝くらいまで生長したら、稲刈りのように刈り取る。
    根元には、栄養分が葉の4倍含まれるので、なるべく土際ぎりぎりを刈る。
    翌年の2月頃まで、計7回ほど収穫できる。
  • 【そぐり作業】
    一本ずつ手作業で行う。枯れた古い外葉を取り除き、中心部の柔らかく新しい葉 3、4枚を残す。この作業をする事で、長持ちするようになる。
  • 【予冷庫~出荷】
    そぐり作業が終わりまとめられたニラは、室温2℃の予冷庫内で保存され、全国に出荷される。その際、箱はニラが立った状態になるように出荷。
    そうすることで、長持ちする。横にすると、ニラの性質上、起き上がろうとエネルギーを使ってしまい、品質が落ちる。

調理

ニラたっぷりのカツオのたたき

  1. 皮のついたカツオの節を両面まんべんなく藁で3分ほど焼く。
    ・藁の香りがつくことでよって、カツオの生臭さが和らぐ。
    ・藁は火力が高く一気に燃えるので、カツオの表面がカラッと仕上がる。
  2. カツオを一口大にスライスし、たっぷりと刻んだニラを盛りつける。
  3. 皮を取った生姜を擦りおろし、完成

ニラ餃子

  1. ニラを2㎝角に切る。
  2. ボウルにひき肉、溶き卵、醤油と酒を加え混ぜる。
  3. 更にニラを加え、粘りが出るまで2分ほどよく練り混ぜる。
  4. 3をギョーザの皮で包む。
  5. フライパンに油を敷き、強火で熱したら重ならないように並べる。
    水溶き片栗粉を加えてフタをし、弱火で6分間蒸し焼きにする。
  6. 皮がパリッとなったら完成。

ニラ塩焼きそば

  1. 熱々に熱した鉄板で、豚肉を炒める。
  2. 肉の色が変わってきたらニラの根元、もやし、焼きそばの麺を加え、炒める。
  3. 鶏ガラスープ、酒を加え、ニラの葉の部分を入れて、更に炒める。
  4. しんなりしてきたら塩こしょうで味付けし、たっぷりのカツオ節と刻み海苔を振りかけて完成。

ニラ玉

  1. フライバンでアサリ・イカ・エビを炒め、色が変わってきたらニラを加え、更に炒める。
  2. 火が通ったら、一度、ボウルに①を移す。
  3. ボウルに溶き卵を入れ、混ぜ合わせる。
    ・具材の温度が均一になり、ふっくらと仕上がる。
  4. 再度熱したフライパンに3を入れ、ゆっくりとかき混ぜながら、弱火で焼く。
  5. ある程度固まったら、皿に盛り付け、作っておいたあんをかけて完成。

あんの作り方

  1. 水、鶏ガラスープ、酒、醤油、砂糖、オイスターソースを煮込む。
  2. 煮立ったら火を弱め、水溶き片栗粉でとろみをつける。