出張DASH村

群馬県邑楽郡(おうらぐん)邑楽町(おうらまち)

  • 埼玉県と栃木県に挟まれた「邑楽郡」の北部に位置する、人口26,955人の町。
  • 関東平野の真ん中で太陽に恵まれた暑い気候と、赤城おろしの「からっ風」、さらに利根川と渡良瀬川に挟まれた実り豊かな肥沃な土壌が、作物の栽培に適している。
    特に米の栽培が昔から盛ん。
  • また、米作りの裏作として、麦を作っていたということもあり、麦は米に混ぜて食べるほか、石うすで粉にして、うどんなどに加工しているなど「粉食文化」が根強く残っている地域。
  • もともと田んぼだった場所を畑にしているため、畑の土には水分が多く、根張りが良い作物が育つ。特に生産が盛んなのが、キュウリ、ナス・ゴーヤなど。

お世話になった方

兄・松島章倫(あきのり)さん

大学を卒業後、地元の航空機の部品メーカーで6年間働く。1年前に脱サラし、元々興味があった農家に転身。冬の時期は弟と2人で白菜を育て、夏の時期はナスを育てている。飲食関係でのアルバイト経験があり、白菜を使ってアレンジ料理を作ることも。

弟・松島圭祐(けいすけ)さん

大学を卒業後、地元の商社で半年間働く。祖父が病気で倒れ、白菜を収穫できなくなったのをきっかけに、脱サラし、農家に転身。始めてから1、2年は病気や害虫の被害で苦労したが、地域の先輩農家さんから勉強したりと試行錯誤を繰り返し、より良い白菜作りを目標にしている。

松島美耶さん

兄 章倫さんの奥様。松島兄弟とは同じ大学のサークルの仲間で、奏美さんとは幼馴染み。
オリジナルのアクセサリーを製作・販売している。

松島奏美さん

弟 圭祐さんの奥様。幼馴染みだった美耶さんの紹介で圭祐さんと出会い、昨年3月に入籍。
収穫などで、忙しい時期は、美耶さんと畑の作業を手伝うことも。

白菜

  • キャベツなどと同じ、アブラナ科アブラナ属の植物。
  • 葉の周辺がちりめん状に縮れており、お互いの葉っぱが重なり合っていて、大きくなるたびに、白い部分が大きく太く伸びる。
  • 英語名で「CHINESE CABBAGE(チャイニーズ キャベッジ)」といわれるように、中国北部が栽培種の原産地とされ、10~11世紀頃から中国で栽培されている。

日本での歴史

日本への渡来は明治初期だが、初めは結球しなかったりと、上手く栽培できなかったが、日清戦争、日露戦争において当時の日本兵が旧満州・朝鮮の白菜の種を持ち帰ったところ、美味しい白菜ができ、日本でも白菜が広まったとされている。

種類

大きく分けて結球タイプ、半結球タイプ、非結球タイプがある。
現在日本で流通しているのはほとんど結球タイプ。

栄養価

  • ビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分、葉酸、βカロテンなどを含む。
  • 部分によって多く含まれる栄養素が異なる。
    葉の部分→ビタミンCが多く含まれる。
    芯の部分→カリウムが多く含まれる。
    ★また、食物繊維とビタミンは不溶性なので、白菜を使った鍋などを作った時は、汁まで残さず食べることで溶け出した白菜の栄養と旨味をしっかり摂ることができる。
  • 100gあたりのカロリーは14カロリーと、ダイエットにも最適な食材。

産地

冬~春にかけての生産量は茨城県を中心とした北関東での生産量が多く、夏の暑い時期には、涼しい気候を生かした栽培方法で、長野県などでも多く作られている。

福島DASH村での白菜栽培

  • 2000年から毎年栽培。
  • 2001年は霜の被害も受けたが、ビニールハウスなどで寒さを対処。
  • 村でとれた白菜を使って、キムチ作りにも挑戦したりと、TOKIOにとっては、馴染み深い野菜

松島兄弟が作る白菜 『邑美人(むらびじん)』

  • 松島兄弟など、邑楽町の農家さんが作っている白菜。
  • 色や大きさなど見た目、結球具合、切った時の中の状態など、JAが規定している。
    細かい基準をクリアしたものだけが「邑美人」として販売されている。
  • 大きさは5~6kg、見た目のハリもあり、糖度10度以上(普通の白菜の平均糖度は6度)
    にもなる甘さと、旨味、みずみずしさが特徴。

美味しさの秘密

1.赤城おろしから吹き下ろす寒風

  • 上毛かるたで「裾野は長し赤城山」と詠まれるように、裾野の広さは約25kmと、横長な形が特徴の山。
  • シベリアで発生した冷たい空気が、日本海側から、壁のように立ちはだかる赤城山を乗り越え、ジェットコースターのように山を駆け下りることで、強くて冷たい風が邑楽町に吹き付ける。
  • 白菜は寒さに当たると、凍って枯れてしまわぬよう自らの身を守る為、糖分を作り出し溜め込む。したがって、邑楽町に吹き付ける「赤城おろし」は白菜の甘味の要因である。

2.牛糞堆肥

  • 邑楽町では昭和30年代から、乳牛や肉牛の飼育が盛んな為、松島さんの祖父など、昔から牛糞堆肥を畑に混ぜて土作りをしている農家さんが多い。
  • 籾殻を混ぜて作る牛糞堆肥を畑に入れることで、土の中の余分な水分を排出し、空気が適度に保たれるため、白菜はストレスなく、大きく美味しく育つという。

3.納豆菌

  • 億単位の納豆菌が入った液肥を畑に撒くことで、病気の元になる悪い菌を分解する上、内側から葉の表面を覆って、外部からの悪い菌の侵入を防ぐ働きがある。
  • 松島兄弟は、納豆菌の液肥を導入したところ、悩まされていた病気や害虫の被害がなくなり、白菜の根張りが良くなったという。

4.霜対策

  • 白菜に霜が降りると、霜が解けた後、葉が垂れ下がり、傷んでしまうが、白菜の頭の部分をヒモで結ぶことで、外側の葉が壁となり、中の葉を霜から守る効果がある。
  • 邑楽町では、霜が降り始める12月中旬まで、すべて手作業で縛っている。
  • 福島DASH村でTOKIOも、わらをヒモにして白菜の結束作業を行っていた。

収穫作業

  • 使うのは「白菜専用包丁」
    兄の章倫さんは研ぐのが片方で良いからという理由で片刃タイプ、弟の圭祐さんは両面とも切ることができる方が便利ということで両刃タイプの包丁を使っている。
  • 緩やかにカーブしているのが特徴。
    →このカーブを利用しお尻が出っ張っている部分に刃が当たらないように切ると切り口が綺麗になる。
  • さらに、包丁で切り口を綺麗に整えた後、タオルで土を拭き取る。
    →この一手間が「邑美人」ならではのこだわり。

 

箱詰め作業

  • 畑で収穫した白菜は軽トラックに乗せて、自宅横の作業場で箱詰めする。
  • 段ボールに詰める際に見た目などの最終チェックをする。
  • 「邑美人」と、印字された専用の段ボールには3~4個の白菜が入る。
  • 地元の直売所や、都内のスーパーでも購入ができる。

調理

白菜シュウマイ

  1. 葉の部分と芯の部分に切り分ける。
  2. 葉は、塩を入れた鍋で5分ほど茹で、水で冷やし、水気を取っておく。
  3. 芯はみじん切りにし、さっと下ゆでし水気を取っておく。
  4. 豚ひき肉・砂糖・醤油・塩・酒・生姜・刻んだ椎茸に、片栗粉をまぶした3を加え、よく練る。
  5. 1の上に、一口大に取った4を乗せ、形を整えながら包む。

白菜ごろごろメンチ

  1. 葉も芯も一緒に5mm程の粗みじん切りにし、塩で揉んだ後、水気を出すため10分程置く。
  2. 合びき肉・塩・胡椒・酒・醤油・ナツメグ・炒めた玉ねぎを練った中に、水分をしっかりと切った1を加え、練る。
  3. 2にパン粉・卵を加え、さらによく練る。
  4. 3を小判形にし、小麦粉→卵→生パン粉の順につけ、170度の油できつね色になるまで10分程揚げ、完成。

松島家特製!白菜と豆腐のトロトロ鍋

  1. 水が入った鍋を中火にかけ、切った芯の部分と大きめに切った豆腐を入れる。
  2. 食用の重曹を小さじ1を入れ、蓋をして5分経ったら、葉の部分を入れる。
  3. 10分程経ったら、少しアクを取り、豚バラ肉(上州麦豚)を入れる。
  4. 肉の色が変わってきたら完成。お好みでポン酢、刻んだ柚子とネギをかけて食べる。
    「食用の重曹」
    大豆のたんぱく質を分解し、豆腐がトロトロになり、さらに、白菜の繊維も柔らかくする効果がある。その他にも、肉を柔らかくする効果やお菓子のふくらし粉としての効果、野菜のアク抜きなどで使われている。