村役場の火事から一ヶ月。
あの日のことは、昨日のことのようにも、遠い昔のことのようにも、夢の中でのことのようにも感じられるのですが、本当に多くの方々にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。今も、スタッフのお詫び行脚は続いています。
焼けてしまった材はそのままにしておくと、倒れるなどして危ないので、崩しました。今は、焼けきらなかった木材や、割れなかった瓦など、整理して置いてあります。
瓦の中でも模様のついた鬼瓦は割れずに残りました。今まで見上げるほどの高さにあったものを手に取るというのは複雑な思いですが、しっかり残っているので、大切にしておきたいと思います。
そして、焼けた柱を倒し、瓦礫を片付け終わると、すっかり更地のようになった役場の跡に、柱の土台となる石だけが残りました。この長きに渡って村役場を支えてきた石。焦げることなく、半分土に埋もれながらも、残った石。
石は何も語りませんが、そこにじっと佇み、我々を見つめています。
火事のあった翌日の朝、村役場の棟梁、故池田末治さんの奥様に電話でこの一件の報告をしました。奥様も、最初、本当に驚いておられたようでしたが、すぐに、気を落とさないように、といっていただきました。ただ、亡きご主人の棟梁としての最後の大仕事の思い出の建物が焼失してしまったわけで、奥様の心中を察すると、お詫びの言葉もございません。
そして、明雄さんにあの日のことを聞いてみたら、電話で連絡を受けてからDASH村に来るまでのことは、気が動転していてまったく覚えていない、とおっしゃっていました。
本当に、そこまで心配してくださっていたのだと思うと、感謝の思いと、申し訳なさでいっぱいになります。
また、焼け残った木組みを解体する際、いつもお世話になっている多くの方々に駆けつけていただきました。本当にありがとうございました。

皆様、改めて、申し訳ございませんでした。
そして、本当にありがとうございました。