2006年5月7日(日)/30分枠
暴力におびえる日々…  デートDVの恐怖
   制作=日本テレビ

交際相手から暴力を受け続けた女性。
暴力が原因で鼻を骨折したという。
由美さん(仮名)は高校二年の時、六歳年上の男性と交際を始めた。“とても優しかった彼”がやがて由美さんに手をあげるようになる。原因は一方的な焼きもち。暴力は日増しにエスカレートしていった…。夫婦間の暴力を防止するDV法が施行されて4年。今その法律の外側で新たな男女間の問題が浮上している。未婚のカップル間の暴力『デートDV』だ。1711人の女子大生、女子高生を対象にした調査では高校生で10%、大学生で14%の人がデートDVの被害を受けていたことがわかった。しかも年々、低年齢化が進んでいるという。

ナレーター:中里 雅子
 2006年5月14日(日)/30分枠
渉子と銃とストックと  トリノに挑んだ16歳
   制作=山形放送

ストック1本で滑る渉子
山形県尾花沢市。保育園のこま回し大会。生まれつき左手の指がない少女はヒモを巻くことさえできない。泣いてコマを放り出そうとするが、母は「もう一回」と根気よく続けさせる。練習の末、少女は優勝。その時の金メダルを父は大切に持っている。今年トリノで開かれたパラリンピック。16歳に成長した少女・太田渉子さんはバイアスロンに出場。ストック一本で懸命にゴールを目指していた。「あきらめるな!」声をからし応援する父・和行さん。胸には癌で急逝した母・ひろみさんの遺影があった。

ナレーター:湯浅真由美
 2006年5月21日(日)/30分枠
ミナマタに生きて  水俣病公式確認50年
   制作=熊本県民テレビ

関西訴訟の原告・坂本美代子さん
手に串を刺して「感覚障害」を訴える
坂本美代子さん(70)は国に自分を水俣病と認めさせることが本当の意味での謝罪と考えている。水俣病問題は95年の政治決着で解決したかにみえた。しかし水俣病関西訴訟で最高裁は手足のしびれや頭痛など複数の症状を必要とする現行の認定基準を否定。症状一つでも水俣病とする緩やかな基準を示した。だが国は今も、坂本さんらを水俣病とは認めない。国と戦い続ける患者と、海の水を蘇らせようと土地を買い、山に桜の木を植える漁師たち。公式確認されて50年経った水俣の今を追う。

ナレーター:小山茉美
 2006年5月28日(日)/55分枠
投毒  薬を毒に変えないために
   制作=よみうりテレビ

薬の副作用により脳症に陥った野間零司くん(6)と母・美子さん
「小児に使われる薬の80%は安全性が立証されていない」…ここ数年、各地の小児科学会で明らかになってきた恐ろしい実態だ。薬と毒は表裏一体。大阪に住む長谷川裕希くん(5)は一昨年12月、高熱で痙攣を起こし急性脳症に陥った。一命は取り留めたが首も腰も据わらない新生児の状態に戻った。彼は倒れる2か月前、発熱で訪れた小児科で軽い喘息と診断され、ある気管支拡張剤を処方された。薬は66日分。長く飲み続けることを医師は問題ないと告げ『発熱時に服用すると痙攣を喚起する』という副作用や注意点も説明しなかった。

ナレーター:紺野美沙子