きょうは何の日
1973(昭和48)年11月2日『トイレットペーパー騒動が起きた日』
今から36年前の11月2日は、全国で「トイレットペーパー騒動が起きた日」です。日本全国で主婦たちのトイレットペーパー買占め騒動が勃発しました。しかし、この騒動には意外な真実があったのです。
当時、日本は高度経済成長の真っ只中。戦後の復興を成し遂げ、経済大国の礎を築いていました。ところが1973年10月、第4次中東戦争が勃発します。中東の産油国はこれを受け、原油価格を引き上げました。俗に言うオイルショックです。日本は中東からの輸入に頼りきっている状態で、大きな打撃を受けました。当時、エネルギー全体の中に占める石油の供給比率が8割近くに達していました。石油製品が30%も値上げになり、政府は「紙のムダ使いをやめよう」など全国の家庭に呼びかけをしました。日本中の家庭が"値上げ"と"物不足"に対する不安に包まれていきました。
騒動勃発の数日前、大阪の千里ニュータウンで、スーパーマーケット開店前に長蛇の列。紙不足を心配した主婦たちがトイレットペーパーの大売出しに集まったに過ぎなかったのですが、このニュースを見た全国の主婦が勘違い。「トイレットペーパーが無くなるらしい」と、噂が瞬く間に広まり、騒動へとなったのです。
店頭で品薄にはなりましたが、生産自体は安定しており、紙がなくなるような状況ではありませんでした。しかし、一度火が付いたパニックはおさまりませんでした。警察が出動するほどの激しさに発展したり、トイレットペーパーの値段が半日で140円から400円に跳ね上がったり「異常事態」を引き起こしました。大量生産・大量消費の時代を進んでいた日本は、「物不足の恐怖」は新たな騒動を呼び、洗剤や砂糖、しょう油などにも飛び火していったのです。
オイルショックの影響で物価の上昇が加速し、ネオンの消灯や駅のエスカレーターを一部ストップさせるなどし、乗り越えていきましたが、日本の経済成長率は戦後、初めてマイナスに。高度経済成長が終わり、物価高だけが残りました。
そして、36年後の現在。景気は芳しくありませんが、省エネやエコ化が進み、日本のエネルギー効率は世界一の水準にあります。この時の教訓を活かしながら今の時代と闘っているのです。

<インタビューにご協力いただいた方>
●橘川武郎さん(一橋大学 大学院 経済学博士)
●菅谷通さん(丸金製紙株式会社工場長)
●高島平団地にお住まいの主婦の方々
