2012年3月6日放送

溶けた鉄の温度、なんと1500度。毎日、熱い鉄と向き合う人がいます。
マンホールのふたを作る鋳物(いもの)職人、小野賢一(おの けんいち)さん。
熱く溶けた鉄を、鋳(い)型に流し込んで固める鋳物職人。
小野さんは中学校の体験実習で鋳物と出会い、鋳物工場に就職。
いつも危険と隣り合わせ。失敗も数知れずありました。

「毎回毎回同じですけど緊張します。
細心の注意をはらって、やってます」

マンホールのふたといっても、用途によって、大きさや模様は様々。
入社当時、まわりは年配の職人さんばかり。
厳しく仕込まれました。以来18年、今や若手のリーダー格。
そんな小野さんが、大切にしている言葉…それは

「『隗(かい)より始めよ』って言葉です。自らがお手本になれ」

「隗(かい)より始めよ」

(中国戦国時代・郭隗(かくかい) の故事より)

「まず身近なことから始めよ。物事は言い出した者から始めよ」という意味。

「隗(かい)より始めよ」。まず身近なことから始めよ。
また物事は言い出した者から始めよという意味。
中国・戦国時代の郭隗(かくかい) の故事からきている言葉。

「僕が一生懸命やっている姿を見たら、
若い子たち、周りみんながついてきてくれる、そう思って頑張ってます」

熱い気持ちで鉄と向き合う小野さん。
つい見過ごしてしまうマンホールにもこんな物語があったんですね。