2012年6月26日放送

竹を使って伝統工芸品を作る職人がいます。
うちわ職人 宇山正男さん。
彼が作るのは『房州うちわ』。一本の竹を62本に割いて骨組みを作ります。

「割いた後の竹を見てね。開いた時が一番気持ちがいい。
平均に割いてないとサラサラしない。サラサラするということは
(紙や布を)貼っても しなやかになるから風もくる。」

一日に作れるのは、数枚が限度。同じ柄は5枚まで。
デザインは毎年変える…。それが職人のこだわり。
現在、81歳の宇山さん。17歳で作り始めてから今年で64年も経ちました。
それでもなお、こう言います。

「まだまだ幼稚園ですよ。気に入ったのなんて何本もできませんよ、自分で…。」

そんな彼の心意気を示す言葉、それは・・・。

「修行に於いては これまで成就ということなし」

学ぶことに終わりはないという意味の言葉。

「好きだから、この歳までやってんでしょうよ。」

もうすぐ夏…。宇山さんのこだわりの団扇が涼を運びます。