2012年9月4日放送

一筆一筆、先代たちの教えを守り続けている人がいます。
大漁旗職人 三冨由貴さん。
創業は江戸時代。7代目の三冨さんは、受け継いだ
染物の技術を大切に、大漁旗を作っています。

「全て手作業でやるところが、昔から変わらないやり方」

本来、大漁旗は、港で待つ家族や仲間に大漁を報せるもの。
遠くからでもはっきり見えるように「筒書き染め」
という伝統の技が活かされています。
のりで下書きをなぞることで色付けした後の絵柄が白く縁取られ、
鮮やかに見えるのです。
模様は龍や鯛などめでたいもの。
しかし、時代が変わり、この仕事は厳しい状況に。
今や神奈川県では、三冨さんだけ。
細々とでも、お客さんの喜ぶ顔を見たい…。そんな三冨さんが、今、思うこと、
それは・・・

「創業は易し、守成は難し」

「新しく事を始めることより守り続けることの方が難しい」
という唐の太宗の言葉。

「「お宅が辞めちゃうと、もう頼む所がなくなるから」と言われたんですよね
だから、がんばらないといけないなって思いました」

三冨さんが守り続けた大漁旗が、
海風にはためき、嬉しい知らせを届けます。