2013年5月28日放送

富士山と観る人をつなぐ一本の列車。
乗客を雄大な景色へと誘(いざな)う…
富士登山電車の運転士・織部 智康(おりべ ともやす)さん

「(電車の)一番前で見る景色は贅沢というか、優等席ですね。富士山が目の前に見えるということで、その景色を見ながら運転するのは楽しいですし、運転士の醍醐味だと思います。」

乗客が求めるモノもまた、移りゆく車窓からの眺めです。

「富士山が見える所で徐行運転して、少しでもお客様にゆっくり写真などを撮って頂いたり、通勤ですと恐らく徐行したら“なんで?”ってことになるかもしれないですけど、逆に景色をみて頂くのが、ローカル線ならではの良さだと思います。」

ただ、一番大切なのは、乗客の安全を守る日々の点検。

「雨が降ったりすれば、いきなり加速したらスリップとかしますので、安全に動かさなきゃというのもあるし、でも、乗り心地も良くしなきゃとか…故障があった時にどうしたらいいかとか、それを学んで実際に体で体得するまでが大変だったと思います。」

そんな織部さんが、乗客に楽しんでもらおうと心がけている言葉。それは・・・

『人間は習わし次第のものだ』

人は習慣に影響されやすいからこそ、毎日の積み重ねが大切と教えてくれる
イギリスの劇作家、ウィリアム・シェークスピアの言葉です。

「“日本一の観光鉄道”というのを目指して自分もその一員としてがんばっていければと思います!」

日々繰り返される丁寧な仕事で、楽しい旅が始まります。