2013年7月9日放送

小さな球(たま)に込められた一途な思い。
卓球ボールの製造に取り組む 村尾英敏さん。

球面にブルーのプリント。
オリンピックの公式球としても採用されたこのボールに
村尾さんは47年間、向き合って来ました。

「セルロイドの板があるわけですが、それをメンコ状にしまして。型に入れて半球を作った段階では、1000分の1ミリの単位で仕分けしていきます。その厚さを均一にしたもの同士を合わせていくのです。」

村尾さんたちのボールが世界に認められたのは、42年前の世界大会。

「『世界選手権名古屋大会ってものを絶対成功させなきゃいかん』みんなで、工場の中で段ボールを敷いてそこで寝泊まりしながら、約1万個。それを1個1個、精魂込めて作り上げました。」

そんな村尾さんを支えてきた言葉、それは…

『人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇(あだ)は敵なり』

“信頼できる人は城にも匹敵する”という
武田信玄の教えとして書き残された言葉です。

「世界の卓球プレイヤーがこのボールを使って、自分のやってきた練習、それを思い通り出せたよという笑顔がそこに出てくれば、一番いいのかなと思います。」

仲間と作りだしたボールが、世界の舞台を熱くします。