2013年9月17日放送

世界が注目する、手の中に納まる芸術品。
根付師の中村和明さん。
江戸時代に流行した、印籠や小物などにつける留め具「根付」。

「日本の細かい細工をする優れた道具だよね。今、外国でも根付っていうといっぱい持っている人いますよ。」

魅力は遊び心満載のデザイン。

「あらゆるものがデザインの対象なんですよね。それをどういう風に彫っていくか、なかなか難しいですけど。楽しみながら彫るのが一番大事です。楽しく彫った方が面白いモノができるんじゃないかと思っています。」

今では数少ない根付師の世界に飛び込んだのは 50歳の時。

「おやじがいなかったので、15歳から肉屋をやりました。
やっぱり男手が必要なんで。出かけられないから、家でできる趣味。」

それまでの人生に一段落をつけた、中村さんの背中を押した言葉。
それは…

『玉 磨かざれば光なし』

才能も磨かなければ光らないという、中国の書物に残された言葉です。
自らを磨き、今では「根付」の良さを伝える側になった中村さん…

「人に教えられるようになりたかったら、一生懸命やって。
そうすれば必ずプラス思考に回っていきますので、楽しくなります。」

小さな根付に、中村さんの思いが刻まれます。