2013年11月5日放送

「これほどやっぱり感動する植物ってなかなか無いですよね」

新たなバラを創る育種家・武内俊介(たけうちしゅんすけ)さん。
バラは毎年、新しい品種が世界中で生み出されています。
武内さんはこれまでにいくつもの新しいバラを作りました。

「まず、形ですよね。あとは、誰が見てもわかるのは色。で、香り。
この3つは、まず一番重要な要素だと考えています」

毎年およそ2万本もの花で、新種の交配を試す武内さん。
苦労の結果の一つが、国際的な賞に輝いた黄色い薔薇「快挙」。

「黄色というのは、困難な色の一つですね。発芽が悪い品種が多いので、
1000粒蒔いて、やっと1本出るような親もありますので」

交配から新たな品種として世に出るまで、10年かかります。

「どれだけ一つのことに執着して、やり続けられるかというのが、
(育種家としての)一番の適性なのではないかと思います」

そんな武内さんの根気を支える言葉、それは…

『人間、愚鈍で良いんだよ。一つのことを一生かけてやれば、それで良いんだ』

日本のバラ育種の第一人者、鈴木省三(すずきせいぞう)の言葉です。

「自分が想像もできなかったものに会いたいなあっていうのを夢見ながら、
バラの育種という仕事をやっているんだと思います」

積み重ねた時に、美しいバラが応えます。