2014年2月25日放送

伝統の世界に、「自由」という新しい風を吹き込む…
屏風職人 片岡恭一さん。
奈良時代に生まれたとされる屏風。
片岡さんは、その伝統美を今に受け継いでいます。

「そもそもは屏風という字が、風を防ぐという字なものですから、実用的な調度品だった訳です。現代では、やっぱり装飾的に使われる方が多いですね。」

時代に合わせ、片岡さんが始めたのは、お客さんの好きな素材で作る、オーダーメイドの屏風。

「“ネクタイを、そのまま貼った方もいらっしゃいますよ!”そういう事をお伝えすると『じゃあ、今度おばあちゃんの着物持ってこよう。』とか、中には『珈琲をこぼした染み、そのままでいいですよ。これも1つの思い出だから。』って。
屏風って敷居が高いとか古いものというイメージが強いと思うんですけれども『あっ、そんな事できるの?』っていう風な。」

屏風をもっと身近に、
そう願う片岡さんが共感する言葉…

『伝統とは形骸(けいがい)を継ぐものにあらず。その精神を継ぐものなり』

『考える人』で有名なフランスの彫刻家、オーギュスト・ロダンの言葉です。

「思いを(屏風は)形にするわけです。僕は凄く屏風は可能性があると思っているんです。伝統工芸って伝統的なものを守るだけではなく、1つ1つ壊しながら、その先に踏み出すような、ちょっとした工夫で屏風を皆に知ってもらえればなって思っています。」