2014年9月9日放送

言葉を紡ぐ「文字」を刻む・・・
活版印刷の文字を産み出す職人 大松初行(おおまつ はつゆき)さん

「(文字の元となる)“金型”という母型があり、その金型に鉛を流し込んで活字を作る。そういう感じです。」

今なお、独特の風合いで人気の活版印刷。
大松さんが作るのは「言葉」の元となる「活字」です。
わずか6ミリ四方の小さな鉛に、美しく調和の取れた「文字」を刻みます。

「1ミリでも違うと、印刷した時に全然違うんです。だから1000分の1ミリでも気に食わなかったら世には送り出さない。自分の子供・分身だから。やっぱり1ミリでも合うものを作りたい」

活字を作り続けて40年以上。
今でも、活版印刷に新たな魅力を感じています。

「温かみがあるんですよね。(印字の)デコボコが生きているように見える。
柔らかみ、和みというか、面白みがあるなと僕は思っています。」

そんな大松さんが共感した言葉、それは

『努力しなければ肉体も精神も成長しない。
努力とは仕事に精を出すことだ』

第30代アメリカ大統領、カルビン・クーリッジの言葉です。

「俺の作った活字でこういうものができる。それが一番嬉しいね。
活字を眺めた人が、心あたたまればいいなと思って。」

文字が、読む人の心に刻まれます。