2015年7月7日放送

優しい風を呼ぶ・・・
房州うちわ職人 宇山正男さん。
千葉県・房総半島で主に作られている『房州うちわ』
特徴は、丸い形の下に窓があること。

「窓がメインなんですよ。一本の竹を割ったここが、細かく出てる。これが決まらないと、うちわが出来ないわけですよ。」

宇山さんのうちわは今も変わらぬ手作り。
一日にできるのは、わずかに数枚です。

「右を取ったり左を取ったり、交互に取ってくわけ。」

骨となる竹が、『房州うちわ』のまさに要(かなめ)。

「やっぱり竹は柔らかいから、ふわふわ~と、自然の風を呼んでくれるわけ。」

材料となる竹は毎年、宇山さんが山から切り出してきたもの。
釣り竿にも使われる、しなりのよい丈夫な竹です。
うちわを作り続けて60年以上・・・
扇風機やエアコンの普及で止めようと思ったこともありました。

「(家内が)うちには農家もあるから、食べる事はできるから、同じ仕事やってた方がいいんじゃないですかと。今考えれば(転職せず)良かったなと思って。」

そんな宇山さんが大切に思う言葉。

『粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)』

ひと粒ひと粒お米を育てるように、努力が大切という意味の四字熟語。

「やっぱり自分の慣れた仕事は楽しいですよ、やっていればね。」

暑さの中でほっと一息・・・