2015年8月4日放送

まるで今にも動き出しそうな造型…
平成の飴細工師 手塚新理(てづか しんり)さん。
およそ1200年の歴史をもつ伝統菓子「飴細工」の世界で
手塚さんがこだわるのは、存在感あふれる“リアリティー”。

「本当に、シンプルに自分が作ったものがそのまま評価されるというか。それがはっきり見えるというか。その分かりやすさというものに惹かれたというのはありますね。しっかりと作りたいというのが単純にあって、何ごとも忠実に作れるようになっていかないと、私自身の技術もまだまだですし、それ(リアリティー)は追求していきたいなと思っています。」

その道を追う一方。
手塚さんは体験教室やパフォーマンスなど、
飴細工の可能性を広げています。

「自分しか作れないというのは、ある意味いい事ではあるんですけど、歴史があるものなので、人をまず育てていかないと。次に繋がるように、私だけで終わっても意味が無いので。」

そんな手塚さんを支える言葉。それは…

『道徳仁義の心を放ち得下(えくだ)して、わずかに聖に入る』

物事を極めるには、常識から離れることも必要と説く
中国の古典『菜根譚』の一節です。

「やっぱり怖いので、次の新しい事をやるのは・・・怖いけど、そこでふっと
それを放すことによって、本当に自分が求めているその先が見えてくる。」

新しい伝統の世界に挑みます。