2015年10月27日放送

心に響く音を、求め続ける…

ピアノ造りの職人 岩本良一(いわもと りょういち)さん

『(ピアノ作りは)木でこう格好作るだけだったら、こんなの簡単だと思ったんですよ。ところがですね、音色 音質 音量 タッチ(客が)10人来れば10人、1台のピアノで全部違うんですよ評価が。「これはちょっと面白いな」という事ことではまっていった』

この道、57年。
今では珍しく、材料選びの一から ピアノを作り上げます

『「柔らかい音が欲しい」とか「強い音にして欲しい」(お客さんから)要求がある。共鳴板の木の材質でも(音色や音質が)全然違っちゃうんです。
一生死ぬまで勉強しないといけない』

音を聞き分けるまでになるのは至難の業(わざ)。
弟子を育て、感じるのは…

「やり始めてすぐ一人前という職人の世界はないと思う。
何をやってもそれを極めるには年数・時間がかかる。
それを耐えて職人になってほしい」

ピアノ作りに一生捧げてきた岩本さんが伝えたい言葉、それは、

『だれよりも、三倍、四倍、五倍勉強する者。それが天才だ』

(細菌学者)野口英世の言葉です。

「一生、二生、三生くらいもたせるようにピアノ造っていますけど、『私が死んでも楽器は残る 次の世代がまた弾いてくれる』こんなに良い夢はない」