2016年1月5日放送

「“太夫”と呼ばれる語り」と「三味線」で 物語を表現する
江戸時代に始まった古典芸能。

女流義太夫三味線、鶴澤寛也(つるざわかんや)さん。

大学生の時、女流義太夫の舞台を見て、三味線の「音」に魅了されました。

佇まいから音から全部ひっくるめて、迫力があった舞台だったのですっかり憧れて

伴奏をするんではなくて情景を描写する『模様を弾く』って言うんですけども、
涙がぽろっと落ちるような、(実演)これが涙がぽろっみたいな…

30年以上三味線を弾いてきましたが、
未だに満足する「模様を弾けたこと」が無いと云います。

名人のお師匠さんでも一生では(稽古が)足りないと言ってらっしゃる位なので、昨日より良くなったというよりは、どんなに自分が弾けないかっていうことも分かるようになっちゃうわけですから、それを辛いといえば辛いけれども…

それでも日々、稽古に励む鶴澤さんが心に留めた言葉…

「偉業は一時的な衝動でなされるものではなく、
 小さなことの積み重ねによって、成し遂げられる」。

ゴッホの言葉です。

義太夫っていう素晴らしい芸能に出会えて、とても面白いなって、とても幸せな人生だと思っています。