2016年7月12日放送

醤油発祥の地と言われる和歌山県湯浅町。

…蔵が育む伝統の味。

角長醤油 7代目 加納恒儀(つねのり)さん。

「創業が1841年で、当時から建っている仕込み蔵になります。」

大豆と小麦と塩と麹菌で作る醤油。
この蔵で3年かけ、発酵を続けます。

「1年ずつ経つにつれて旨みが、何とも言えないような色あいになるんです。酵母菌も生きているんで、それぞれにやっぱり性格っていうかちょっと違ってるんでね。
毎回そう思った通りにはならない。」

醤油の味を決めるのは、長い年月で梁や屋根に白く染みついた「蔵付き酵母」。

「昔、雨漏りがするので新しい板を張り付けたんですけど、その下にある桶だけが発酵が違って、『あっ、そうか。昔からついている酵母菌がそこだけ無いんで、発酵がおかしくなったんだな』って言うことになって、元の板張り直してやると家の味になった。」

醤油と向き合う加納さんが思う言葉…

「試行錯誤」

試みと失敗から、答えを見出す四字熟語です。

「(店を)継ぎ始めて十何年しか経ってないですけど、酵母と一緒に成長出来たら美味しいものになると思うんですけど、修業ではないですけど、勉強しながらやりながら残していきたいなと思っています。」