2016年9月6日放送

日本の真心を伝える匠の技…

曲げ物師 大川良夫さん。

セイロやおひつなど、薄い木の板を曲げてつくる「曲げ物」。
その歴史は古く800年以上とも…。
自然の素材で作る昔ながらの製法を、今も守り続けています。

「桜の皮で留める。クギで打っちゃえば早くできるでしょうけれども、食べ物を作るための物だから、体の為にならないようなものは使わない。料理旅館へ作って“お客さんにコレだったら安心して(料理を)出せる”って言われた時は“間違ったものは作ってなかった”と思いましたからね。」

中でも馬の毛の網を張った漉(こ)し器は、
食材に臭いが付かず、なめらかな仕上がりになることから、世界も注目。
…その網を織るのは奥様の仕事です。

「いま世界でそれ(馬毛の漉し網)を作っているのは女房だけ。作り始めた時は女房と良くケンカしましたよね。“こんなもの売れない!作り直し!”ってみんなそれをバラして、またやり直してですよ。だから、ありがとうとしか言いようが無い。」

奥様と二人三脚で仕事を続ける大川さんが大切にしている言葉、

「誠心誠意」

まごころを尽くすことを意味する言葉です。

「手を抜かないことだけでしょうね。美味しいお料理を作る為のお手伝い…の真似事ができればなぁって思いますけどね。」