2017年4月25日放送

江戸鯉のぼり職人、金子泉匠(せんしょう)さん。(51歳)
こどもの日を前に最盛期を迎えている鯉のぼり作り。
金子さんが手がけるのは、伝統の“江戸鯉のぼり”です。
「江戸時代に始まって、江戸の空に度肝を抜いて1番映えるように、色んな図柄のアイディアがその時代その時代で加えられていった。ですので特に型って言うのはないんですけど、手で原型を描けるって言うのは、江戸にいるのはうちだけになっちゃったので。」

金子さんの師匠、川尻金龍さんは、黒と赤しかなかった鯉のぼりを
カラフルにした初めての職人。
「東京オリンピックの時に5つの輪っか、色がそれぞれ違うじゃないですか、これを青い空に泳がしたら余計キレイなんじゃないかと、同じ職人仲間からは馬鹿にされて、最後は意地でやってましたね。職人は絵を描いて出来上がりじゃないと。それを買ってもらって初めて職人だと。」

受け継いだ技を、愛弟子に伝える金子さんが思う言葉、

「いつまでもただの弟子でいるのは、師に報いる道ではない」

ニーチェの言葉です。

「私が作ったのは、吹き流しが今までのただの5色じゃなくて龍の絵を描いたもの、だしたらその2年後には大ヒットしたんです、でも江戸鯉のぼりって元々そういうものなんで、どんどん継承していってくれるとうれしいんですけどね。」