2017年7月25日放送

麦茶職人の3代目 設楽徳子(のりこ)さん

山梨県上野原市。ここに、明治12年創業 昔ながらの製法で麦茶を作る人がいます。
「うちの麦茶は濃くて色も味も香りも濃い」
2年間乾燥させ、厳選した六条大麦を
平釜で竹箒を使い、燃えてしまう寸前まで炒り続けます。
「釜の中が目で良く見えないので見つつやるっていうのがあてにならないんですよ。箒を持つ手に伝わってくる重さが変わってくるのでそれで判断しています。」
湿度や気温で炒る時間も変わります。

“濃さ”は先代の父のこだわりです。
「もう殆ど炭じゃないかってぐらい濃く炒ってて教わったときも母は、そんなにやらなくていい。父はもっと濃くやれって言っていて。結局私も最終的に思ったのは、同じものを作るといいつつ、私が自分で決めるしかないって」

麦茶づくりの最盛期を迎えた設楽さんが 心に留めた言葉、それは…

『緊褌一番(きんこんいちばん)』

気を引き締め事に当たることを意味する四字熟語です。

「同じものを毎回作らなきゃいけない…そこがやっぱりドキドキするんですよね。」
設楽さんが作る麦茶はニッポンの夏を癒す、極上の一杯です。