2017年10月17日放送

菊を栽培する農家、小久保恭一(こくぼきょういち)さん。
秋の夜、愛知県渥美半島に広がる光の絨毯。
その正体はビニールハウス。中では正月用の菊を栽培しています。
「秋菊は12時間以下の日照になると、自然開花する。
しかし一定以上の日照があれば、花を作らないっていう性格があるので、
光をあてて秋ではないですよと、菊をだましながら育てている。」
70年前に始まった電照菊の栽培。光をあて開花を遅らせる理由はもうひとつ。
「植えてから60cmくらいの草丈で花が咲きますが、光をあてることによって、約1mまで育てて花を咲かせます。」
さらに通常、菊は5つほどの芽をつけますが、手作業で剪(せん)定して1つのつぼみにします。
「上で5つも6つも咲いたら、花の大きさが全然違ってくる。剪(せん)定した花の大きさが15cmになるとすれば、剪(せん)定しないと7~8㎝ですから、飾った時に見栄えが全然違ってきます。」
そんな小久保さんが、共感する言葉。

「できるかどうか分からないような試みを、成功させるただひとつのものは、まずそれができると信じることである。」

アメリカ合衆国の哲学者、ウィリアム・ジェームズの言葉です。

「菊はお葬式の花というイメージが強いと思いますが、ロシアでは誕生日のプレゼントにします。
日本もそういった面で使ってもらえると嬉しいですね。」