2017年12月5日放送

雪平鍋職人、姫野寿一(ひさかず)さん
煮物や汁物作りなどで活躍する、槌目(つちめ)と呼ばれる模様が特徴の雪平鍋。
多くの料理人に愛される鍋は大阪の下町にある町工場で生まれます。
「槌目が雪の結晶のように六角形になっていることから“雪平鍋”
たたくのは強度を増すために締めるというのと、
1割ほど表面積が大きくなるので、熱効率とか保温状態が良くなるということなんです。
だいたい1日に2~3万回はたたくんじゃないですかね。」
創業は大正13年。
修行時代に言われた先代の教えが、今を支えています。
「“淡々と 急ぐな”
“力入れたりも、抜いたりもするな。足したり引いたりもするな。”っていうのは、
よく言われましたね。」
念入りに叩くのは“角”の部分。 そこに込められるのは、職人の心意気。
「五徳に当てたりとか、流し台に当てたりとか、角は一番へこむところなんですね。傷つきやすい。
親子ぐらいは引き継げるように、5~60年は最低でも使ってもらいたいです。」
気負う事なく鍋を作り続けて来た姫野さんが心に想う言葉、それは…

「泰然自若(たいぜんじじゃく)」

落ち着いて、どんな事にも動じないさまを意味する 四字熟語です。

「このまま伝承というか、引き継ぎしていきたい。」