2017年12月19日放送

プロハンドベル奏者、大坪泰子(たいこ)さん。
およそ400年前にイギリスで発祥したと言われるハンドベル。
1つのベルで鳴らすことができるのは1つの音階だけ。
複数の人が手分けして1つのメロディーを演奏しなければいけません。
「1小節目の1拍目から全ての音を誰かが担当してなくてはいけない。
歌のようにぴったり繋げるにはどうしたらいいかを考えて、パズルを解く作業から始める感じですね。」
大坪さんはニューヨークのカーネギーホールで世界初のハンドベル公演を行った日本ハンドベル界のパイオニア。
2004年に立ち上げたグループは、ハンドベル芸術の最高峰と称えられるまでになりました。
「まだ聴いたことがない響きとか、新しい世界観とか、そういったものを常に求めています。
何事も停滞したら腐っていくじゃないですか。」
新たなハーモニーを追い求める大坪さんが、心に想う言葉

「住する所なきを、まず花と知るべし」

挑戦し続ける事の大切さを意味する、室町時代の猿楽師、世阿弥の言葉です。

「“ハンドベルってこういう感じだよね”って思ってなかなか聴きにこない人もいると思うんですけど、常に新しいものを求めて作っていこうとしているので、共有してくれたらうれしいかな、って思います。」