2018年1月9日放送

卵焼き職人、渡邊美奈子さん。
築地の路地裏にひっそりとたたずむ卵焼き専門店。
味わい深い厚焼き卵は、老舗の寿司店にも一目置かれる存在。
「昔ながらの無駄なものは何も入れていない素朴な味。」
中でもこだわりは、徹底した“手作り”。
11年前、先代の父から譲り受けたのは、その手作りへのこだわりと、オリジナルの卵を割る道具。
1日1000個以上もの卵を30分程で割っていきます。
「丁寧に丁寧に、卵を“手割り”で“手焼き”がうちのウリなので、
それを続けていけるようにやっています。」
ひとりで作るため、卵焼きは1日およそ100本しか作れません。
それでも“割りたて”“溶きたて”“焼き立て”をつづけます。
「手焼きの良さっていうのは、1本ずつ違う顔になって出てくるところなんです。
そのへんが良いのかなって思って作りつづけています。」
創業以来の手作りにこだわる渡邊さんが心にとめている言葉、それは。

「無骨な手は、律儀な心のしるしである」

心を込めて丁寧に仕事をすることが大切とうたう、劇作家ウィリアム・シェイクスピアの言葉です。

「素朴な味ですけど、気に入って来ていただいているお客さんに、これからも食べ続けてもらいたいので、
がんばっていきたいと思います。」