2018年5月1日放送

武者のぼり絵師 吉田博之さん。
端午の節句にたなびく“武者のぼり” 江戸時代には全国各地で見られた風物詩。
「元々、戦国時代に武家の家紋とかを染めた旗指物というのを立てていたんですが、
平和になって、むし干しを兼ねて庭に飾るようになった。それが武者のぼりの始まりです。」
後に、こいの滝登りなども描かれ“こいのぼり”の原型となりました。
「少し離れたところから見ても迫力を出すには、輪郭線をどれだけ生き生きと描けるかということ。
大胆に描いていくものですから、最初に形を決める時が一番気を使って描く所です。」
祖母でもある先代が残した武者の画を、3年に渡りひたすらなぞって腕を磨きました。
「先代が描いたその線をなぞっていくと、その息遣いも分かるような感じがします。
そういうものを吸収しながら、最初と比べれば描くごとに良くなっていく。
上達はしたんですが、修行は終わりがない感じですね。」
今も、一心に武者のぼりを描き続ける吉田さんが、共感する言葉…

「わずかずつ 加うることを繰り返さば やがて大なるものとならん」

古代ギリシャの詩人 ヘシオドスの言葉です

「子どもの成長を願って描かれているものばかり、そういう江戸時代の風景を残していきたいです。」