2018年8月28日放送

木製冷蔵庫職人、田嶋秀浩さん。
電気を使わず氷で食材を冷やす、昔ながらの木製冷蔵庫。
今も埼玉県の町工場で作られています。
「木製冷蔵庫は大正時代から物としてはあったと思います。
欧米文化を見た人が持っていることが多かったかも知れません。
相当お金持ちでないと持っていなかったと思います。」
創業は大正10年。
電気冷蔵庫が普及した今も、料亭や寿司店などから発注は絶えません。
「氷の冷蔵庫の内部の温度は、通常で12~15℃。
物を食べる時に人間の舌が受ける感覚が一番良い温度なんです。
氷ですから湿度が冷蔵庫内に保てるので肉や魚を収めておくにも良いんです。」
材料はヒノキ。水に強く食品を腐りにくくする効果もあります。
「見た目も大事ですよね。できるだけ同じような木の色で木目を合わせる。
家具という要素から見ても、見栄えが良い。」
全ての工程に妥協を許さない、田嶋さんが共感する言葉。

「名は実の賓(ひん)なり」

表面的な事よりも本質が大事である、という中国の思想家、荘子の言葉です。

「誠心誠意、品物を作らないとお客様に気持ちが伝わらない。
その時点で最良のものをお客さんに渡したい。」