2018年9月4日放送

瓦職人、八幡昇さん。
沖縄の景観を彩る伝統の赤瓦。
「沖縄は結構スコールがあるので、赤瓦はその水を吸って熱を発散します。
赤瓦を使っていたらクーラーはいらないくらいです。」
八幡さんが手がけるのは“たたら作り”と呼ばれる土の塊から瓦を作る伝統製法です。
「たたら作りの場合は型に巻いて作りますから、
その時のなで具合によってきれいに焼けるときと、すじが入るときがあり、
すじが入った時は手入れが足りなかったということになります。」
2週間ほど乾燥させ、焼き上げます。
焼くと沖縄特有のクチャと呼ばれる土が鮮やかな赤色に。
「土は最初は黒いですよね。乾燥したら白くなる。生まれたら赤ちゃん。
だから上手に焼き上がったら、きれいに生まれたねと思います。」
今ではほとんど機械作りとなり、手作りが出来るのは八幡さんの工場だけです。
「広く一般に赤瓦が使われるようになったのは明治時代以降ですね。
それ以前は身分の高い人、地位の高い人しか使えなかった。ぜいたく品だから。」
手作りの赤瓦を守りつづける八幡さんが心に思う言葉。

「灯灯無尽(とうとうむじん)」

一つの灯火が移されて広がり、尽きることが無いという意味の四字熟語です。

「やっぱり赤瓦が無かったら沖縄の魅力が無くなっちゃいますよね。
景観を維持するためにも、頑張っていきたいなと思っています。」