2019年2月5日放送

五箇山豆腐、岩崎喜平さん。
富山県・五箇山に古くから伝わる名物が、縄で縛っても崩れないほど堅い五箇山豆腐です。
「笑い話じゃないですけど、つまずいて爪が剥がれたとか、
枕にして寝たとか、言い伝えがあります。」
豆腐作りに使うのは、地元砺波産の大豆と裏山の湧き水。
「私にしかわからない微妙なさじ加減でやっている。豆も畑1枚1枚でみんな違うんです。
炊き方を10℃くらい変えたり、にがりの量を10%ほど前後させていますね。」
昔ながらの作り方を守りつつ、出来を決めるのは長年の勘。
石をのせ水分を抜く、絶妙な加減が豆腐の堅さを決めます。
「堅ければいいってもんじゃないんですね。粘りがあってぷりぷりにしたい訳です。
でもイライラしたりね、女房とケンカしたらカチカチになるの。ハハハ。
この豆腐が焼いたら香ばしくて、豆の香りが立ちますしおいしいですね。」
五箇山豆腐を守り続けてきた岩崎さんが心に思う言葉。

「真味只是淡(しんみはただこれたん)」。

本物は淡い味であるのと同じで、道を極めた人は普通の人に見えるという意味です。

「“自分”というもの変ですけど、表現みたいなもの“私の豆腐”ってことですから、
それが勘とか経験ということになっていく訳ですけど、面白いなと思ってやっています。」