2019年3月5日放送

ノコギリ研ぎ職人、長津勝一さん
古都・京都。その技で、ノコギリの切れ味をまったく違うものに変える職人がいます。
「市中に流れているノコギリというのは、機械の研ぎオンリーなの。
ウチの研ぎが数段上にあるんで、成り立つわけ。」
通称“長勝鋸(ながかつのこ)”。特徴は研ぎ方。
「歯の研ぎ方で、くぎも切れれば、木も切れる、同じノコでも変化するんです。」
五寸くぎをも真っ二つにする切れ味は、発想の転換から生まれました。
「カッターというのは、斜めに引くとスーッと切れる。
ノコギリは、歯をたてて引っかいて切れるんだと解釈しているわけですよ。
その違いは寝てて思いついたの。ハハハ!」
ノコギリを歯を寝かせたカッターの様に研ぎ直すことで、絶品の切れ味を手に入れました。
「板のひずみ、のび、つまり、全ての要素がかみ合って初めて、良い切れ味が生まれる。」
その腕に世界の職人も注目。指導依頼が絶えません。
そんな長津さんが大切にしている言葉、それは…

「学問なき経験は、経験なき学問に勝る」

イギリスのことわざ。

「結果を出してナンボだから、ダメだった時にはお金をもらわない。
タダの仕事も結構してきました。その結果がやはり今日につながってきたと思う。」