2019年4月2日放送

紀州桧弁当箱、角田卓司さん
和歌山の熊野街道にたたずむ、江戸時代から続く老舗で、その弁当箱は作られています。
「紀の国和歌山の紀州桧というのをくり抜いて作っている。
癒されるというんですかね、いい匂いがしますね。」
3年ほど乾燥させた紀州桧の角材を一つ一つ、くり抜いていきます。
「木製のお弁当箱というとわっぱをイメージされると思うんですが、
わっぱは縁の部分が、直角になっていると思うんですけど、
くり抜きの場合は丸くなっているので汚れがたまりにくく、落としやすい。」
表面が均一に平らになるように、何度も研磨します。
「材料が軟らかいので縁がかけてしまったり、細心の注意をして磨いていく。
あまり磨きすぎたら、形が変わってしまうので、
そこら辺の頃合いというのが難しいですね。」
1人で磨き作業を行うため、作れるのは1日10個ほど。
「紀州桧が吸ったり吐いたり呼吸していますので、
余分な水分が流れないのでご飯がべちゃっとせず、
おかずにも水が回らないのでおいしくお弁当を食べてもらえる。」
使う人のため、手間を惜しまない角田さんが共感する言葉…それは

「明日いい仕事をするための最良の準備は 今日いい仕事をすることだ」

作家、エルバート・ハバード(1856-1915)の言葉です。

「魂を込めて作った弁当箱を喜んで使ってもらっているのを見た時、
これほど最高のことはないですよね。」