2019年4月16日放送

吹きガラス職人、藤井崇さん。
佐賀県で江戸時代から作られてきたガラス工芸品、肥前びーどろ。
その最大の特徴である滑らかな手触りを生み出すのは、
全国でもここだけと言われる「技」にありました。
「“ジャッパン吹き”と言いまして、通常吹きガラスは金属のパイプで作るんですけども、
ジャッパン吹きの場合はガラス管で食器を作っていくという形になります」
まず溶かしたガラスを窯から取り出し、型を使わず成形します。
「多少ゆがみがでてくるんですね。
それを矯正しながら、冷めるまでの間に全てを形作るというのが
神経を使うんですごく疲れんですね。」
そして “ジャッパン吹き”の真骨頂、
2本のガラス竿(ざお)で空気を吹き込み、注ぎ口を作ります。
「吹いている方でほっぺから抜けてく空気の量を感じながら
根元の部分や、注ぎ口の一番先の部分の厚みを決めていく。
そして、それを引っ張りだしてうまい具合に曲げていくんです。」
20年かけジャッパン吹きを習得した藤井さんが共感する言葉、それは…

「愛情と技術がともに働くとき、傑作は生みだされる」

イギリスの美術評論家、ジョン・ラスキン(1819-1900)の言葉です。

「苦しい毎日でした。どれだけやっても出来なくてですね。
ものすごく難しいですけど、
これをやってのけたら職人としてカッコいいなと思います。」