2019年5月28日放送

炭焼き職人、今西学さん。
兵庫県川西市。
朝6時、まだ煙くすぶる窯から取り出されるのが、
日本で数軒しか作っていないという池田炭です。
「室町時代から焼かれていまして、
切り口が菊の花びらに見えるから“菊炭”と呼ぶんですけども
煙が出ずにパチパチはぜず、匂いもいいということで、茶道の炭に使っています。」
地元で取れる上質のクヌギを、3日かけて焼きあげます。
「3日目の火を止めるタイミングが一番難しいとこです。
早すぎるとまだ木の状態で、遅すぎると灰になっていくので、
1時間単位で止めるタイミングを見る、夜中でも寝られない状態になってしまう。」
火を止めて4日目でも、窯の中はまだ100℃以上。
「窯の中が冷めないうちに取り出して次の材料入れていくんです。
冷ましてしまうと、次に焼くとき床に近い材料がまだ木の状態で残ったりするんです。
明日取り出すと20℃位は下がってしまいますね。明日する方が楽なんですけど。」
窯にいられるのは15分程。
手間を惜しまず池田炭を作る今西さんが共感する言葉…

「飲水思源(いんすいしげん)」

物事の基本を忘れないという意味の四字熟語です。

「お客さんに喜んでもらえるので、しんどくても続けられるんですけれども、
出来るだけ昔の形でいい炭を焼きたいとは思っています。」