2019年6月11日放送

ゴム長靴職人、森谷英司さん。
東京、葛飾。ここにあるのが1956年創業、都内で唯一のゴム長靴工場。
中でも全面にプリント柄が施された長靴は、
パリコレにも出品され世界でも注目されています。
「上手くいくかな?って、最初は不安で。」
それは、転写シールで柄を付けた1枚のゴムから作られます。
「ゴムをどうしても伸ばさなきゃいけないので、やわらか過ぎても柄が伸びちゃうし、
硬くても力を入れて引っ張らなくちゃいけないので伸びちゃう。
よく『ゴムは生き物だ』って言われるんですけど、
ゴム質を変えるとか、貼るタイミングを考えるとか、
そのちょうどいいバランスっていうのを熟知してやっていく。」
130度の窯で1時間熱を加え、防水性の高い丈夫な長靴が完成。
さらに、型にゴムを流し込む作り方が多い中、
パーツを組み合わせる製法にこだわっています。
「手作業ですべてやってパーツを貼り合わせていくので、
お客さんによって、ああして欲しいって言えばそれに対応できる。
とにかく履き心地が良くて、
どんな人が履いてもきれいに見えるような靴にしたいなとは思いますよね。」
昔ながらの作り方を守る森谷さんが心に想う言葉、それは…

「石に立つ矢」

想いを込めれば何事も成しとげられるという意味のことわざ。

「道端を歩いていて、『古い靴なのにまだあの靴履いてくれてるんだ。』っていう時は
やっぱりうれしいですよね、すごく大切にしてくれてるんだなっていうのが。」